＊ ページ7
T_side
俺は懸命にCMを観ていた。
早く小山に戻ってきて欲しいという一心で、CMに出てくる人気俳優や女優とにらめっこをしていた。
貴「はぁ…はぁ、」
いつの間にか呼吸が乱れていた。
落ち着こう、そう思えば思うほどに俺の心には焦りがあった。
大丈夫、そう言ってくれた小山の言葉を思い出しながら
必死に心を落ち着かせようと努力した。
慶「まっすーただいま！」
数分後にようやく戻ってきた小山。
俺は乱れた呼吸を整えながら、思わず小山に飛びついた。
慶「わっ、え、どうしたの？」
貴「ごめん、ちょっと、…」
小山の肩でゆっくり息を吸う。
途中、小山の腕が俺の背中に回ってきて
小山はそっと、背中をトントンしてくれた。
今俺は5歳児くらいの小さな子どもで、小山はそんな小さな男の子を落ち着かせる親のようだ。
昔から俺は子どもで、今でもまだまだ子どもで
ずっとずっと、迷惑をかけるやつだった。
貴「俺、一人でいるの、苦手で…」
苦手、と言うよりも、怖い。
俺は一人でいると、自己嫌悪に陥ってしまうことがよくある。
自分で自分をコントロール出来ないことが、ものすごく怖い。
慶「そっか、もう大丈夫だよ」
あまり深く聞かない小山に感謝しつつ、
貴「ありがとう」
って小さく呟いた。
小山から体を離したとき、目がじんわりと濡れていたことに気がつく。
情けない、
情けない。
.
俺がこんな風になってしまったのは、もう1年も前のことだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さたけ(プロフ) - そう言っていただいてとても嬉しいです！応援してます！！ (2018年2月12日 18時) (
レス) id: 60acb141fb (このIDを非表示/違反報告)
しょーやま。(プロフ) - さたけさん» ありがとうございます!!いえいえ、むしろドンドンコメントお待ちしております（笑）今日でようやく忙しい日々が終わりまして、これからは更新速度もアップしそうです。応援ありがとうございます、これからも宜しくお願いします！！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: 3123dec0a8 (このIDを非表示/違反報告)
さたけ(プロフ) - 更新嬉しいです！本当に楽しませていただいてます！気持ちが抑えられず、何回もコメントしてしまいすいません笑笑これからも頑張ってください！！ (2018年2月4日 20時) (レス) id: 60acb141fb (このIDを非表示/違反報告)
しょーやま。(プロフ) - さたけ(¨)さん» しばらく更新出来ず、すみません。さたけさんのコメント、とても励みになりました。本当にありがとうございました(；；)これから更新出来るように頑張ります!! (2017年12月27日 22時) (レス) id: 3123dec0a8 (このIDを非表示/違反報告)
さたけ(¨)(プロフ) - 続きがとても気になります！！素敵です。とても楽しみにしてます。がんばってください！！ (2017年12月9日 11時) (レス) id: 60acb141fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しょーやま。 | 作成日時：2017年11月11日 21時
