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K_side
慶「お金…」
『ああ、そんなの気にしないでください。
これは今日の売れ残りなんです(笑)』
くしゃっと笑うその人は本当に綺麗な女性だった。
白い歯を見せた顔は愛らしくて見ただけで心がほっとするような温かい人だった。
両手でパンを受け取る。
パンの脇側から少しだけ顔を出すクリームがとても贅沢に見えた。
慶「…ありがとうございます」
『じゃ、私はこれで』
コツコツとヒールの音を鳴らしながら、その女性は俺に背を向けた。
その凛とした背中に惹き込まれてしまう。
俺はなかなかその目線を逸らすことは出来なかった。
.
パンは近くの公園で食べた。
甘い香りが口の中で広がって、傷んでいた心を癒してくれた。
慶「美味しい」
美味しい、ってこういうことだ。
そのクリームやパン生地の味だけじゃなくて、作ってくれた方の優しさだったり温かみだったり…
そういうものを心で味わって食べた。
慶「あ、どうしよう…」
大切に大切に食べていたから、気がつけば辺りは随分と暗くなっていた。
早く家に帰らなきゃ…
そう思った俺は早々に家に向かった。
.
慶「あ、シゲ…」
リビングにはシゲがいた。
ちゃんと、約束通り帰ってきてくれた。
俺が喋ったとほぼ同時に心配そうな目で
成「あー良かった、ちょっと心配したわ」
慶「ごめんなさい」
成「んーん、おかえり」
コーヒーの入ったカップに口を近づけながら。
特に深い意味のない「おかえり」が
ぎゅうっと心に染みる。
施設でお世話になったおじさんにも何度か言われたことがあったけれど
「ここは俺の家じゃないし」って可愛くないことばっかり言って
なんだかんだ1度もこの次に来るべき言葉を、俺は口にしたことがなかったのかもしれない。
.
慶「た、だいま…」
「おかえり」の次が「ただいま」であること、
少し自信がなかった。
だけどシゲが何も返さずにコーヒーをすすっているってことは、多分合ってる。
慶「シゲ、帰ってきてくれてありがと…」
成「……」
一瞬、シゲの動きが止まった。
成「小山は…」
慶「ん？」
成「小山は…素直で、羨ましい」
.
遠いどこかを見つめて
悲しそうに笑ったシゲは
コーヒーを飲むことをやめてしまった。
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さたけ(プロフ) - そう言っていただいてとても嬉しいです！応援してます！！ (2018年2月12日 18時) (
レス) id: 60acb141fb (このIDを非表示/違反報告)
しょーやま。(プロフ) - さたけさん» ありがとうございます!!いえいえ、むしろドンドンコメントお待ちしております（笑）今日でようやく忙しい日々が終わりまして、これからは更新速度もアップしそうです。応援ありがとうございます、これからも宜しくお願いします！！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: 3123dec0a8 (このIDを非表示/違反報告)
さたけ(プロフ) - 更新嬉しいです！本当に楽しませていただいてます！気持ちが抑えられず、何回もコメントしてしまいすいません笑笑これからも頑張ってください！！ (2018年2月4日 20時) (レス) id: 60acb141fb (このIDを非表示/違反報告)
しょーやま。(プロフ) - さたけ(¨)さん» しばらく更新出来ず、すみません。さたけさんのコメント、とても励みになりました。本当にありがとうございました(；；)これから更新出来るように頑張ります!! (2017年12月27日 22時) (レス) id: 3123dec0a8 (このIDを非表示/違反報告)
さたけ(¨)(プロフ) - 続きがとても気になります！！素敵です。とても楽しみにしてます。がんばってください！！ (2017年12月9日 11時) (レス) id: 60acb141fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょーやま。 | 作成日時：2017年11月11日 21時
