四十五話 ページ46
クッキーを片付けてもらって、机の上に資料を並べた9代目は、一枚の写真を僕に見せた。
写真には、一人の男の子が写っていた。
無邪気に笑うまだ幼い男の子。茶色の髪に琥珀色の綺麗な大きな瞳が特徴的だ。
何より僕は、この子に見覚えがあった。
(小さい頃の沢田綱吉･･･)
いずれ僕が右腕として使える主。
同い年の彼の写真は数年前に撮られた物だろうか。5歳くらいにみえる。
写真をじっと見ていると、9代目が説明を始めた。
「この子は沢田綱吉くんといってね、君と同い年で、ボンゴレの血を濃く継ぐ子なんだよ」
そして目を細め、言った。
「私はね、この子にボンゴレを継いでもらおうと思っているんだ」
･･･8歳児に何言ってる。
というか、ザンザスが養子っていう事情知らない父さんが唖然としてるよ。
事情知らない人からしたら、そりゃ驚くと思う。
結局中学生で継ぐことになってるんだし。
でもまあ、今それを話したということはつまり。
「A君。綱吉君の友達になってくれないかな？」
やっぱりそうか。
要するに、友達でありマフィアに属する人間として、沢田綱吉をサポートしてほしい、と。
『･･･しかし、僕なんかでよろしいのですか？』
すると9代目は微笑んだ。
「むしろ君でないと駄目だろう。あのザンザスも認めた程の君なら、何があろうと、彼を前に向かせることができる」
この人は分かってる。自分も経験したのだろう。
ボスになる、誰かの上に立つという過程で、どれだけの苦労があるのか。
やっとボスになっても、そのあとにも苦労は続く。
辛いこととか、悲しいこととか、苦しいこととかなんて、数えられないほど起きる。
沢田綱吉がそれにぶつかって倒れたとき、僕は立ち上がらせられる？
沢田綱吉がそれに直面し涙を流したとき、僕は涙を止められる？
沢田綱吉がそれに囚われ立ち止まってしまったとき、僕は手を引いて導くことが出来る？
･･･もしもそれが可能なら。
『･･･分かりました。沢田綱吉様のよき友人となれるよう、これから努力していきます』
こちらこそよろしくお願いします。
そう言って僕は頭を下げた。
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ART - リツさん» ありがとうございます！！･･･誰落ちになるんでしょうね･･･？作者にも分かりかねます(笑)選択肢増えるように頑張ります･･･!! (2015年4月3日 19時) (
レス) id: 1d5e9ac749 (このIDを非表示/違反報告)
リツ - 物凄く面白かったです。更新頑張ってください！将来的にベルとくっつくのか他の人とくっつくのか楽しみです。 (2015年4月2日 15時) (レス) id: 8c87cebd05 (このIDを非表示/違反報告)
ART - なっちゃんさん» マンガ入ってしばらくしたらアンケートとろうと思っています。その時は是非投票してください！読んでくださってありがとうございます！！ (2015年3月22日 19時) (レス) id: 1d5e9ac749 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - これって落ちあるんですかね？あるんでしたら希望してもいいでしょうか？ (2015年3月15日 20時) (レス) id: c0e3f0e80b (このIDを非表示/違反報告)
ART - 黒兎@minamiさん» 直しました。ご指摘ありがとうございました！！ (2015年3月15日 17時) (レス) id: 1d5e9ac749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ART | 作成日時：2014年12月30日 11時
