悲劇のジュリエット症候群

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「……うそ……」


私が発した声は誰にも聞こえない蚊の鳴くような声だった。そんな声しか出なかった。

……何処までも貴方が信じられない。



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長かった講義も終わって謙ちゃんと2人である場所に向かう。ある場所って言うのはサークルの集まり場所…というかろくな部屋が用意されないので私達だけで作った屯場。

沢村教授がいるジメジメ棟の隣のC棟。の隅っこにこじんまりとした部屋にマッキーで"イベントサークル"と書かれた画用紙をセロハンテープで貼ってあるだけ。そのドアをガラガラ開けると騒がしいメンバーの声が聞こえる。






「あ〜！！きたきた！」

「ちょっと来て〜！こことここどっちがいい〜？」

「は？待って待ってそれ候補じゃねぇし」

「俺こっちがいいもん〜！」




私達以外に部屋に集まっていたのは3人。


「ねぇ〜？Aもこっちがいいよね！？」

おバカで煩い哲汰。

「だから違うんだってば！これかこっち！」

ツンデレデレデレ直弥。

「そいえば部長は〜？」

マイペースな陽葵。

そして謙信と私。


「え〜？会ってないよ〜〜」


もともとこのサークルは生徒がお遊びで作ったものだし、活動するとしても大体呑み会かボーリングかカラオケってとこ。それにみんなが同学年で部長のやまちゃんは自由人なので来たり来なかったりって感じ。

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