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八、 ページ8
悶々と考えるも何も解決策が思い付かない。
紋のうちのけが入った短刀。
つまりは……主は、前にいた私のことを相当好いてらしたようだ。
それがまた羨ましくもあり、同時に妬ましくもあり……
私にばかりこんな重荷を背負わせて。
と怒り心頭になって小さく舌打ちをする。
「……再刃されたせいか……」
そして結論はここにしか辿り着かなかった。
到底人の心の奥底など分かるはずもない。
……ただただ女だけならいくらでも見てきてはいたのだが……
「いち兄、最近すげえ悩んでんな。飲むか」
「薬研……いえ、まだ昼です。昼間から酒なんて、せめて夜にしなさい」
「さすがに次郎太刀みたいにがつがつ飲んだりはしねえよ。いち兄も最近飲んでないだろ。ほれ」
「……だいたい、いくら付喪神とはいえ、薬研の体は子供だ」
「気にしないぜ」
とんでもなく複雑な気持ちになって酒をあおる。
弟から頼まれた……本当に複雑だ……
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作者名:ひな丸 | 作成日時:2016年6月6日 22時