朝顔に包まれて【一期一振】 (ページ26)

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二十六、ページ26

執務室。
やっと提出する書類を書き終えて解放した気分でいると、近侍の鯰尾が話しかけてきた。

「主、そういえば最近聞かないですね」
「何が？」
「時間遡行軍のことですよ。俺らそっくりのヤツが出るっていう……」
「ああ、少しは治まったみたい」
「そうですか。万が一主が襲われることがあったら、馬糞を投げてやりますよ！」
「いや、自分の刀を使ってよ」

えへへ、と笑って安堵した表情を浮かべる鯰尾。
私のことを気遣ってくれたのだろうか。
そういえばそろそろ近侍を交代する時期か……
誰がいいと思う？と鯰尾に参考程度に問いかける。

「うーん……長谷部さん……はこの間……燭台切さん……は忙しそう……んー」

そんなつもりないのにものすごい悩んでくれている。
ちょっと悪いな、と思い、思い付かなければいいよ、と言う。
それでも……と考え続ける鯰尾は、あっ！と突然声を上げた。

「いち兄なんかどうですか？」
「え、一、期？」
「そうです！あ、駄目ですかね……」