文月の出会い【刀剣乱舞】 (ページ13)

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拾参、ページ13

そこは、蔦がびっしり生えている洋館だった。
鬱蒼と繁る木々。もはや林というか、森？
そこは近所でも有名な幽霊屋敷と噂される場所だった。

「……ここって人住んでるの？」
「はい」
「近所では幽霊屋敷ってことで有名なんだけど」
「そりゃ大変だ。あとで青江を呼ぼう」
「青江さんか。確かに彼は頼りになるね」

また私のわからん話を……
そうこうしているうち、一期さんは扉にノックをする。
きっとおじいちゃんが出てくるんだろう……と待つと。

「一期じゃないか。薬研も……んん、きみ、主じゃないか？」
「え、うぅんと……？」
「もしかして、爺だと思ったか？驚いたか、見た目は若いぞ。見た目は」
「……驚きました」

思わず敬語で呟くと、彼は「わはは！」と笑った。子供のような屈託のない笑顔だ。
その髪は一期さんと同じく黒髪に黒目、白い半袖シャツにキャラメル色のベストを羽織っている。

「きみが来てくれるとはこっちも驚きだな。入ってくれよ、鶯丸がきっと茶を淹れているだろう」
「え、ええと、貴方は？」
「それはあと。ここだと怪しまれそうだ」

とぐっと手をひかれて屋敷の中に入った。