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……聞けなかった。


結局、及川さんに訳を聞くこともできずに1週間が過ぎた。
そろそろ聞かなければ……
でも、あの姿を見ると途端に聞けなくなる。


女子に相変わらず囲まれている時も、せっかくふたりで帰った時も。
その端正な顔立ちを見ているうちに、全部見透かされているような気がした。



「……及川さん」
「なあに」
「……東京行くって、本当、ですか」
「……え?」



くるりと及川さんは振り返った。
ぽろりと溢れた言葉が、私を焦らせるのには充分だった。



「……あ、ごめ、なさい」
「Aちゃん」
「……はい」
「推薦を、もらった以上は行こうとは思ってるよ」
「でも」
「ごめん」
「……なんで及川さんがあやまるんですか」
「……」
「及川さんは悪くないです。推薦、もらったのすごくいいじゃないですか。……頑張って、ください」
「あっ、ちょっ……」



私は駆け出した。
急いでバスに乗って、肩で息をした。
追いかけてきて、バスに乗り遅れた及川さんが見えた。
まだ話したいことがある、といった顔だった。
……でも、バスは無情にも私を乗せて走り去った。

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設定タグ:ハイキュー!! , 及川徹 , ひな丸   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ひな丸 | 作成日時:2016年4月29日 0時

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