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「Aちゃんはどうするの?」
「進路、ですか。……まだ、どこも」
「まあまだ高1だしねえ。ゆっくり考えなよ」
「……はい」
及川さんは、宮城のある大学に行くと行った。
バレーボールの強豪校だから、行きたいと思ったのだろう。
……でも、あの人がいるんじゃあ。
「牛島さん、いるんじゃないんですか」
「あいつぅ?どうせ東京のどっかの大学デショ。推薦もらってさ。あーヤダヤダ」
天才は嫌いだね、と愚痴を溢す彼。
いつも通りだ。でも彼はいつも通りじゃない。
あの、青葉のジャージを羽織っていないから。
“1番”を背負っていないから。
「及川さん、最近岩泉さんと喋ってないみたいですね」
「うえっ、バレた?実はこの間喧嘩してさ……」
女子か。そのツッコミはぐっと喉の内に留めておいた。
でも彼の話す姿はどこか楽しそうだし、どうせ明日にでも仲直りするだろう。たぶん。
「あ、もうバス停。じゃあね」
「さようなら」
別れを告げて、バスに乗り込んだ。
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作者名:ひな丸 | 作成日時:2016年4月29日 0時