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「東京行きの新幹線の切符だ」
「……なん、で」
「これで行ってこいよ、東京」
「でも、」
「及川からのモンだ。ありがたく受け取っとけよ。アイツ、自分のことになると途端に他人任せになりっきりでさ。住所のメモも貰ってきたんだぞホラ」
と半ば強引に押しつけられる。
及川さんが住み始めた、新たな家。
「私が、行っていいんですかね」
「いんじゃね?」
「……あんなこと言ったのに」
「及川が伝えきれなかったこともあんだろ。ほら行った行った。それ、今日の切符だからな」
「……」
ニヤニヤとして私を見る花巻さん。
これはこのあと何が起こるか予想してる。
「ま、聞いてやってくれや。及川の愛の言葉をよ」
「なっ……!!」
「じゃあ俺はこれで、元気でな」
と、花巻さんは同時に電話を誰かにかけつつ行ってしまった。
切符と住所の書かれたメモを持って立ち尽くした。
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作者名:ひな丸 | 作成日時:2016年4月29日 0時