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で、翌日。
なんとかして一夜を過ごした。過ちはしなかった。
もうそろそろ、駅に行かなければ。
及川さんもそれに気づいたのか、声をかけてきた。
ー*ー*ー*ー*ー
「……ほら泣かないでよ」
「……」
ふとバスの窓を見やる。
髪の毛がぼさぼさだ。
せっかく今朝整えたんだけどな……と落胆する。
「そんなに俺と別れるのが嫌?」
「……言うほどじゃないです」
「ウソ、顔ひっどいよ。てかそんなに拗ねないで」
「……馬鹿」
「えぇ」
慈しむような目で彼は私を見た。
ゆっくり、ゆっくりと時間が過ぎ去っていく。
このまま、バスごとどこか遠くに行ってしまいたかった。
及川さんと、どこか、どこか遠くへと。
でもそんなのは叶わなくて、駅に着いて、ホームに着いた。
くるり、と及川さんの方を振り返る。
「……2日間、ありがとうございました」
「また来てね」
「考えときます」
「冷たいなあ」
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作者名:ひな丸 | 作成日時:2016年4月29日 0時