19.奇跡は転がっていた ページ19
夕食までさほど時間もなさそうだったし、大人しく室内で銃の整備でもしながら待つことにした。
しばらくするとゾムが迎えに来てくれて、私たちは食堂へと向かった。
途中であの角は死角になりやすいから人を驚かすのにオススメ、とか総統様はこの廊下の絵が気に入っている、とか役に立つのかよく分からないことを教えてもらった。とりあえずゾムが楽しそうなのでいいか。
zm「チチチッス！連れてきたで！」
そう言ってゾムは1つの扉を開けた。
あれ、なんだかデジャヴを感じる。やっぱりノックとかしないのか。
gr「待っていたゾ！さぁこちらへ。」
そこには総統様を含めて10人の男性が座っていた。幹部は全員ここで食べると聞いていたけれど、思ったよりも少ないな。
知らない人間が入ってきたわけだし、もう少し警戒されるかと思っていたが、彼らから感じられる空気はどちらかというと戸惑いに近かった。どうするのが正解か考えあぐねている感じ。この様子だと事情は事前に聞いているのだろう。
とりあえず総統様のもとへ向かう。
gr「今日からしばらく我々国に滞在するA嬢だ。ちなみに俺は彼女を幹部にする予定だから、皆仲良くするんだゾ！」
いきなり爆弾ぶちかまされた。皆さん戸惑っていらっしゃるしトントンさんはまた申し訳なさそうな顔をこちらに向けてくれた。
とはいえ喋らないわけにもいかない。
「初めまして、Aで、」
Aです。しばらくお世話になります。ちなみに幹部になる予定はありません。
そう続くはずの言葉はしかし、口から出ることはなかった。なぜなら、
誰かに抱きしめられたからだ。
えっなにしてんの、という戸惑いとか、ひゅーといった無責任な冷やかしとか、羨ましい……って言ったの誰？どういうこと？
とにかく周りがうるさいけれど、私に抱きつく腕は一向に緩む気配がない。むしろ離すもんかといわんばかりの強さである。
「A、生きとった、んやな……っ！ほんまにっ、ほんまに、よかった……っ！」
食堂に入った時、似ているなとは思った。
けど、うそ、まさか、こんなところに、
「しゃ、しゃお、くん……？」
sha「せやっ！覚えててくれたんやな、よかった、ほんまに、生きてて、会えて、よかった……っ！」
探していた幼なじみがいるだなんて、誰が想像していたというんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 596人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツネキ - お話のつなぎ方、お上手ですね…。いいな…。私の場合、文章を書こうとしても話がコロコロと変わってしまって…。それプラス話の繋ぎ方がどうにも下手くそで、へんな文章が出来上がってしまうんですよね…。尊敬です…！！ (2020年3月11日 5時) (
レス) id: b7a49d6e6e (このIDを非表示/違反報告)
こは(プロフ) - 雪兎さん» 雪兎様、応援とご心配ありがとうございます。全然無理はしていないので大丈夫ですよ！拙い作品ではございますが、これからも楽しんでもらえると幸いです*^^* (2019年12月5日 23時) (レス) id: ce808de654 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - いつもいつもお疲れ様です。これからも頑張って下さいね！応援してます！あっ、無理は禁物ですからね！お体に気をつけて下さいね？ (2019年12月5日 20時) (レス) id: 2fbdad1c3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こは | 作成日時：2019年11月23日 20時
