12.変わった日常は穏やかに ページ12
食事が終わったので部屋に戻る。今日はまだ食料もあるはずだし、1日こもれるな。
机に向かって昨日の続きをする。この仕事の納期そろそろだな、昼からはこれかなぁ。
そうしてどれくらいたっただろう。ノックの後、扉が開く音がする。
zm「昼飯作ったから食おや。」
そういうゾムの手にはサンドイッチ。手が汚れずつまめるものにするあたり、彼は私の扱いを心得てきている。
はじめはちゃんとした食事を作って、朝と同じように迎えにきてくれていたのだが、それくらいなら食べなくていいと私が言うと妥協策として彼は軽食を持ってくるようになった。本当にあまり食べないので昼は作らなくていいという意図もあったが、伝わらなかったみたいだ。
午後からはゾムもこの部屋にいた。別段珍しいことでもなく、時間をもてあましているらしい彼はけっこうな頻度で私の部屋に来て適当に座ったりナイフを磨いたりしながら私の作業を見ている。
面白いなら説明しようか、とか一緒にやってみる?、とか訊いたこともあるがそういうわけでもないらしい。よく分からない。
そして彼はそのうちそれにも飽きて「かまってぇや〜」と言い出すので、だいたい二人でおしゃべりをする。といっても、私の手と目は机上の機械に釘付けだが。
話す内容は本当にたわいもないことで、好きな食べ物だとかの自己紹介だったり、ゾムの仲間たちの面白い話だったり、晩ご飯のリクエストを訊かれたこともある。
zm「でな、その時、そいつがな−−。」
今日は彼の仲間の話らしい。なにの話をしている時もだいたい彼は楽しそうだけれど、仲間の話をしている時は特に楽しそうだ。たまに邪悪な笑いが混じるのが気にはなるが。触らぬ神に祟りなし。私はなにも知らないぞ。
夕方になると彼は夕飯作ってくるわ、と出ていく。ついでに我々国に定期連絡とかこまごましたこともしてるらしいけど、それは私には関係ないことだ。
今日の夕飯はなんだろう。そんなことを考えてから、彼とのご飯の時間を楽しみにしている自分に気づいて笑った。
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ツネキ - お話のつなぎ方、お上手ですね…。いいな…。私の場合、文章を書こうとしても話がコロコロと変わってしまって…。それプラス話の繋ぎ方がどうにも下手くそで、へんな文章が出来上がってしまうんですよね…。尊敬です…!! (2020年3月11日 5時) (レス) id: b7a49d6e6e (このIDを非表示/違反報告)
こは(プロフ) - 雪兎さん» 雪兎様、応援とご心配ありがとうございます。全然無理はしていないので大丈夫ですよ!拙い作品ではございますが、これからも楽しんでもらえると幸いです*^^* (2019年12月5日 23時) (レス) id: ce808de654 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - いつもいつもお疲れ様です。これからも頑張って下さいね!応援してます!あっ、無理は禁物ですからね!お体に気をつけて下さいね? (2019年12月5日 20時) (レス) id: 2fbdad1c3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こは | 作成日時:2019年11月23日 20時