絶対エースの彼氏さんは裏表が激しいようです

好きって言いたい〜過去編〜 ページ7

俺は薮ちゃんが好き。

初めて出会ったのはJrの公開オーディション。

Jrの最前線に立って輝いている薮ちゃんが憧れの先輩で、俺もいつかあの人みたいになりたい。

あの人の隣に立ちたいって思ってた。

だから、下手くそだったダンスも必死に頑張った。

なんとか前に出たくて、あの人の視界に入りたくて。

そんな中、入所して3年。俺たちはHey! Say! JUMPとしてデビューすることが決まった。

薮ちゃんと同じグループってことが嬉しくて、もっと頑張ろうと思った。

でも、薮ちゃんの隣にいるのはいつも光くんで。

幼い頃からずっと一緒にいる2人には、俺には到底立ち入れないような深い絆があった。

永遠のシンメ、熟年夫婦とか言われてさ。

俺は俺で、裕翔くんとのセンター交代からの氷河期とかで心に余裕がなかった。

カメラの前ではなんとか笑えてたけど、1人の時に気がついたら泣いているような生活だった。

いつだったか、それを薮ちゃんに見られた。

薮ちゃんは呆れるわけでもなく、ただ『ありがとな』って言ってくれた。

『いつもみんなを引っ張ってくれてありがとう』って。

その日は薮ちゃんにしがみついて泣いてしまった。

やっぱり薮ちゃんが好きだなって泣きながら改めて自覚してしまった。






あれから数年。あと数日で俺も20歳。

未だに片思いをこじらせてる。

「うぅ〜……圭人ぉ……」

「はいはい…」

結局、今日も薮ちゃんに言えなくて圭人の所に逃げてしまった。

「…やっぱり薮ちゃんは俺なんか……」

「もう…自信もって！やまちゃんは魅力的なんだから」

「そう言ってくれるのはお前だけだろ……」

薮ちゃんは俺のことなんか絶対興味ない。

普段なら知念に怒られるんだろうな。

『うじうじしないの！』って。

でも、知念には何も相談できてない。

だって……薮ちゃんと知念は最近仲良しだから。

昨日だって一緒にご飯してたみたいだし。

知念は甘え上手でみんなの弟でかわいいから。

そりゃあ薮ちゃんも好きになるよな……

「光くんよりもちぃちゃんの方が無理なの？」

「だって、知念だぜ？あんなにかわいい奴、勝てるわけないじゃん」

あーあ、俺も知念みたいにかわいければなぁ……

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