10話 ページ10
あれから1週間…5月に突入してようやく仮入部期間が始まった。
大ちゃんと二人で訪れたそこはやっぱり入部希望者が多くて。
「おら、1年!邪魔すんなら帰れ!」
「すいません!!」
先輩はやっぱり厳しい。
もちろん顧問の先生やコーチも。
ボール拾いやコート整備みたいな雑用からミニゲームまでいろんな体験をさせてくれるようだからサービスのいい部活だと思う。
ここって一応強豪校のはずなんだけどなぁ……
「おいそこの1年」
「は、はい…!僕…ですか?」
「そう、お前」
怖いなぁこの人。
頭角刈りだから余計にいかつい。
「お前、名前は?」
「山田です。山田涼介」
「そうか。山田、お前そんな長い前髪にメガネでまともなプレーができるのか?それともマネージャー希望か?」
「…一応、選手です。このスタイルには慣れてるんでご心配なく」
「ほお……そこまで言うならミニゲーム、俺と組むか」
「え、えぇ!?ありなんですかそんなの…!」
「当たり前だ。もちろん、足引っ張ったら許さねえからな」
「…頑張ります」
なんか燃えてきた。
やっべぇ……ワクワクする。
絶対、この先輩に俺の実力を認めさせてやる…!
「ラスト、ミニゲーム10回!1年と2年でペア作れ〜」
どうやらさっきの人はキャプテンだったみたいで。
ルールもどんどん説明される。
1年と2年のペアに固定されたキーパーの3人チームで1点先取。
ただし、チームポイント制度があり、1年が点を決めたら2点で2年が決めたら1点。
1日に各チーム3試合あるミニゲームの中でもっとも総合点数が高いペアが優勝。
負けたチームはその時点での持ち点を相手に譲り、0から始まる。
単純なようで結構厄介なルールだ。
つまり、キャプテンが俺に言った言葉の意味は……
全戦全勝。
しかも俺の得点で勝つ完封勝利を狙ってるらしい。
「キャプテン…」
「熊田だ。まだ正式な部員じゃないんだから先輩と呼べ」
「…わかりました、熊田先輩。絶対、勝ちます」
「期待してる」
絶対、勝ってやる……!
*
「お疲れ様でした!解散!!」
「疲れた……」
熊田先輩に認めさせるためとはいえ、動きすぎた。
まあ全勝したからよかったんだけど。
「おい山田!」
「熊田先輩、お疲れ様です!今日はありがとうございました!!」
「お疲れ様…本入部、楽しみにしてるぞ」
…え、それって……認めて、くれたのか…?
あまりの嬉しさに大ちゃんに抱きついてしまったのは俺の黒歴史になりそうだ。
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作者名:るち | 作成日時:2021年1月12日 11時