6話 ページ6
慌てて謝ると有岡くんは相変わらず太陽みたいな笑顔で俺を見ていて。
「ここに来てから山田くんの笑ってるとこ見るの、岡本くん以外なら俺が初めてじゃね?めっちゃ嬉しい!」
本当に変な人だ。
先輩とは違う意味でかき乱される。
でもなんだか、嫌じゃないかもしれない。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ居心地がいい。
「有岡くんって、すごいね」
「そうか?…あのさ、有岡くんって堅苦しいし、大ちゃんって呼んでよ。昔からみんなそう呼ぶんだ」
「え、わ、わかった…俺のことも、呼び捨てでいいよ……」
「やまちゃ〜ん!ごめんね、一緒に戻れなくて…って、有岡くん?」
「お、噂をすれば岡本くんじゃん!」
ようやく先生から解放されたようでパタパタ走ってくる圭人。
「えっと…どうして有岡くんと、やまちゃんが……」
「山田はサッカーめっちゃ上手いから、声掛けちゃったんだよ。あ、変なことしてねえから安心して(笑)」
「…やまちゃん、友だち増えたね…!!」
変なところで感動して飛びついてきて。
「けーとのばか!変なこと言うなよ……」
「やっぱり岡本くんといると山田はよく笑うよな」
急に伸びてきた手。
ぽんぽんと頭に触れるそれは普段は嫌なはずなのに。
有岡くん……大ちゃんの手は嫌じゃなかった。
「山田が嫌じゃなかったらさ、仲良くしようぜ。俺、もっと山田が笑ってるとこみたいし」
「…うん!」
大ちゃんとなら安心して一緒にいられる気がしてきた。
圭人以外の人にそんなこと思うのは…きっと知念以来だ。
知念…………
今頃どうしてるんだろう。
なあ知念、知念は圭人以外の最後の友だちだって思ってたけど…大ちゃんが新しく加わりそうです。
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作者名:るち | 作成日時:2021年1月12日 11時