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45話 ページ45

イマイチ上手く働かない脳みそじゃ彼の意図は汲めなくて。

嫌な予感だけは感じながら様子を見てると再び鉄パイプを構える大人たち。

「山田クンの大切なこの2人…目の前で傷つけられたらどう思う?」

圭人の体温で暖まっていた体が一気に冷えていく。

俺の目の前で、また2人が傷つく。

また、俺のせいで……

「そうそう、その顔だよ!」

「やっぱりいい顔してるよな、こいつ」

「なぁこっちの子もSwitchだからSubだろ?こっちでも遊んでみたいんだけど」

「お、いいじゃん。超楽しそう」

「こいつ呑気に寝てんじゃん。起こしてやろうか」

気絶していた圭人。

伸びていく汚い手に咄嗟に声が出ていた。

「いや、だ…!やめて、やめてください……どうか2人だけは、!」

俺のせいで、俺の大切な人が傷つくなんて嫌だ。

ただでさえ、2人はもうこんなに傷ついてるのに…!

「その顔、可愛いじゃん。もっと見せろよ」

『その顔最高……もっと見せて』

彼の声が、あの時の知念の声と重なった。

「ぅ、あぁ…!」

さっきから止まることを知らない涙がまた情けなくこぼれ落ちる。

「…味澤、くん……あの…」

意を決した俺は聞こえないくらいの小さい声で彼を呼んでこっちに来るように誘導した。

「あ?ちゃんと聞こえるように喋れよ」

……今だ!

充分な距離になって俺は彼の顎に頭突きを決めた。

「…!?こいつ何を…!」

「てめぇ……いい度胸してんじゃねえか!」

さっきまで縛り付けられたかのように動かなかった足をなんとか動かして向かってくる大人たちにタックルしていった。

その場に落ちていた鉄パイプを拾ってたった今倒した人に向ける。

「2人から、離れろ…じゃないとこの人を…」

「…油断しすぎ、だろ!」

振り返ったと同時に蹴られてその場に崩れ落ちた。

「山田クンは1回本気で痛い思いをしなきゃわかんねえのかな?」

さっきの攻撃で力を使い果たしてしまったのか、ピクリとも動いてくれない体。

その上に馬乗りになられて殴られても全く抵抗できなかった。

「どうせなら最後まで楽しませてもらおうかな。有岡クン〜?ちゃんと見とけよー」

「山田に何するんだよ、てめぇ…」

「口悪いなぁ、見てわかんない?」

強く抑えこまれた腕に、俺の服にかかる手。

それに気づいた大ちゃんも、きっと俺も血の気が引いていく。

「やめろ!山田に触れるな!…う"ッ…」

「大ちゃん…!」

大ちゃんを助けてよ、先輩……!

「…なぁ、何してんのお前」

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作者名:るち | 作成日時:2021年1月12日 11時

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