37話 ページ37
知っていた?俺がワケありって……
「お前は勘違いしてるようだけどな、俺らは過去に何度か会ってる」
「え…?」
「中学のとき、何度か対戦してるんだよ俺たちは」
中学……サッカー部にいたからあちこちの学校と対戦した。
運良く1年のときからレギュラーだったからたくさん試合にださせてもらえたし、その分勝利に貢献もできていたと思う。
それでも何度か対戦しているとしたら……
「…もしかして、地元の人……?」
「ああ。お前の学校と俺のとこは同じ区域だからよく戦っていた。まあ直接向き合ったことは1回だけだがな」
「…あ、まさかあのときの…!」
2年生の初めの方の大会で練習が始まる前に俺は1人トイレに行った。
そのとき何かにイライラしていたのかとてつもないGlareを放つ人にぶつかってしまって。
直接大きなGlareにあてられて崩れ落ちてしまった俺を舌打ちして睨みつけてきた人、それが味澤くんだったんだ。
「俺はお前のとこにダチが多かったからあのときお前のcareをしていたマネージャーくんとその後に何が起こったのかもお前があの高校に入学するまでどうしてたのかも知ってるんだよ」
知られていた、全部。
知られたくなかったのに、俺の1番の弱みがバレているなんて……!
「お前の幼なじみ…あいつはSwitch、なんだろ?つまり、あいつだってSubと一緒ってことだよなぁ」
「…何が、言いたいんだよ」
「お前の態度次第ではあいつにターゲット変えるのもありかな〜ってな。オニイサンたちはどう思う?」
「いいんじゃね?あーゆータイプも面白そうだし」
「この子よりはごついけど顔は結構いいしありだな」
「…けーとには、何もしないで」
「え?なんて?(笑)」
「けーとには、何もしないでください……」
床に転がされているから頭を下げて願うことも勝手に溢れてきた涙を拭うこともできない。
「へぇ…じゃあ山田クンがちゃんとcommand聞いて俺らのこと楽しませてくれんの?」
嫌だ、こんな奴らの、犯罪者なんかの言いなりになるなんて。
でも圭人に何かあったらきっと自分がされるよりも嫌だし辛いから、俺だって圭人を守りたいから。
いつかと同じように強く髪を引っ張る味澤くんから目を逸らしながら俺はゆっくり頷いた。
至近距離であてられる強いGlareは俺の頭を真っ白にさせるには十分なものでだんだんと呼吸が乱れてくるのがわかる。
「こいつもう逃げ出せそうもねえし、縄外してやってもいいか」
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作者名:るち | 作成日時:2021年1月12日 11時