センパイ (ページ24)

今日:18 hit、昨日:27 hit、合計:54,353 hit

24話ページ24

知念とは……最後まで、した。

するつもりなんて……俺にはなかったのに。

知念も俺も恋愛対象は女のはずだし、partnerになったのもお互いのためにいい関係だったからだし。

あんなに自分のことしか見えてない知念は初めて見た。

自分が満足してからあいつは俺を置いて帰った。

圭人がなんとか俺を見つけ出してくれて、それで無事に家に帰れた。

careも全部圭人がしてくれた。

それで…なんとか落ち着いたんだけど、それからやっぱり気まずくなったんだよね。

知念ってば、そのこと何にも覚えてなくてさ……

圭人から話を聞いて謝ってくれたんだけど、その話がいろいろ広まっちゃって学校でも変な目で見られて居心地悪くて学校行かなくなったんだ。

知念も何度も家まで来てくれたけど出れなかった。

……圭人は、そんな俺に一日中付き添ってくれた。

バスケ部でエースだったのに部活やめて一緒に学校サボって……昼間はずっと一緒にいたよな。

本当にそれが申し訳なくて。

それで2人で話して3年生から学校行くようにしたんだ。

まあ部活はやめたけどな。

その時にはもう知念は転校してた。

母さんに知念からだって手紙を渡されて、読んでみたらそこにはいっぱいごめんと今までありがとうが書いてあった。

もう二度と連絡しない、顔も出さないって。

それ以来、俺は圭人以外の友だちを作るのをやめた。

前髪を伸ばして、メガネをかけて、強い薬をもらって……

俺に出来る範囲で1番の防御をした。

高校も、心配した父さんと母さんからせっかく近くにいい高校があるんだからって言われてあそこにした。

中学とは反対方向だし、偏差値的にもあいつらには到底無理だしな。

そういう俺もバカだから結構危なくて、圭人に付きっきりで教えてもらったんだ。

本当は、サッカー部だって入る気はなかった。

でもやっぱり俺はサッカーが大好きで、父さんの反対をなんとか押し切って入ったんだ。

……まあ、この前みたいなことがあったってバレたら退部しろって言われそうなんだけどね。

たぶん、これで俺の話は全部……だと思う。