18話 ページ18
「…じゃあ、俺はこれで」
「あ、はい…ありがとうございました」
……誰だ?
ここは…圭人の、部屋……?
「…っ……けぇ、と…?」
「やまちゃん…やまちゃん!大丈夫なの!?」
「俺、なんでここに…」
「いのちゃん先輩のおかげだよ。やまちゃんは…… Dropして、倒れちゃったの」
Drop……?なんで、だっけ。
……ああ、そうだ。あいつらだ。
「けーと、伊野尾先輩がここまで連れてきてくれたの?」
「うん、ついさっき帰っちゃったけどね。順を追って話すから落ち着いて聞いて」
そこから圭人が話してくれたことによると……
俺が味澤くんたちに呼び出されて連れていかれたところをたまたま目撃した伊野尾先輩が不審に思って大ちゃんに話を聞いて危険だと判断して2人で俺たちの後をつけて様子を伺ってみたら俺が明らかな因縁をつけられていてそのうち暴力に繋がると判断して動画を取って証拠を残すことにしたらしい。
つまり俺がcommandのせいでもうDropするというタイミングで俺のところに来てくれたのは伊野尾先輩と大ちゃんだったんだ。
そこから大ちゃんは伊野尾先輩の指示でキャプテンと顧問の先生に録画した動画を見せて事情を説明し来てくれるように頼み、その流れで圭人と合流。
その間先輩はDropしてしまった俺のcareをしてくれたらしく、2人が先生と戻ってきたときにはもう俺は眠りに落ちていたらしい。
後のことは先生たちに任せ、先輩が俺を背負って圭人の家まで送ってくれてそのまましばらく世話を焼いてくれてたんだと。
「…そっか、先輩が……」
「いのちゃん先輩がいなきゃどうなってたか……ごめんねやまちゃん、けいとがそばにいるって約束したのに」
「いいんだよ、けーとは悪くねえし」
「でも……」
「それより、俺がここにいること母さん知ってる?理由とか全部……」
「ううん、言ってない。けいとのママにも頭打って倒れたとしか言ってないから大丈夫だよ」
「よかった……」
母さんに知られたら絶対父さんに伝わる。
そしたら部活をやめなきゃいけなくなるかもしれない。
そんなの、絶対嫌だから。
「…俺さ、Dropする時に走馬灯みたいなやつ見えたんだ」
「そうなの?なんでそんな……」
「…あの時のとか、いろいろ出てきて……2人にもいろいろ言われて、それでDropしたみたい」
「……ねえ、やまちゃん。本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、俺は負けない。今日だってメガネなしでも倒れなかったんだから」
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作者名:るち | 作成日時:2021年1月12日 11時