1話 ページ1
先輩と出会ったのは高校の入学式の日だった。
圭人とうっかりはぐれてしまって、迷子になっていた俺を教室まで連れていってくれたのが先輩だった。
「ねえキミ、名前とクラスは?」
「…山田、涼介……1年2組です」
「ふーん…山田ね。俺は2年の伊野尾慧」
「はあ……」
伊野尾先輩は、不思議な人だ。
どこからともなく現れて天使のように微笑んだと思えばちょっと目を離した隙にもう消えてる。
だってこのときも、圭人と会えて安心してお礼言おうと思ったらもういなくなってたんだから。
「やまちゃん、どうしたの?」
「…伊野尾、先輩って人が連れてきてくれたんだけど…いなくなっちゃった」
「…その人は……」
「わかんなかった。俺もあんまり気にしてなかったし…Glareも出されなかったから」
もしかしたら、あの人は天使だったのかもしれない。
あんなに白くてふわふわしてるんだから。
そう思っていたのに。
「やっほ〜山田っている??」
翌日、先輩はあっさり目の前に現れた。
「…はい、いますけど……」
「あ、山田〜あのさぁ……お前、Subだよね?」
「え……」
たぶん、このとき俺はこの人が苦手になったんだ。
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作者名:るち | 作成日時:2021年1月12日 11時