5 ページ7
侑怒らせてしまった次の日。
朝練終わりで二回目の朝ご飯を食べている侑ちらと見る。
むすっとした顔で、全くこちらを見てくれない。
どうすることもできなくて、一つため息をついた。
「侑、北さんからプリント」
黒髪の背の高い男の子が彼の名前を呼ぶ。
ドアの近くに二人が並んでいるのだが、その威圧感と言ったら。
じっと見ていると、黒髪の子と目があった。
やばい、と思い、慌てて窓の方へ視線を移した。
*
「はぁ」
「ミヤモトサン」
「うわぁっ」
自分の席で昼ご飯の準備をしていると、上の方からいきなり話しかけられた。
犯人は、朝に来ていた黒髪の子で、そんなに驚く? と真顔で言われる。
「で? ミヤモトサン?」
「……宮本ですけど」
あってた、といい、侑の席に腰を下ろした。
「えっと、誰ですか」
「あ、俺? 角名」
「……バレー部?」
「正解」
ぐっと左手の親指を立てた。真顔で。
……かっこいいけど、チベットスナギツネに似ているな。
「宮本さん、侑に何あったか知ってる?」
「……標準語」
「は?」
泣きそう。
家族以外で久しぶりな標準語を聞いて、懐かしさが込み上げてくる。
「角名君は引っ越してきたの?」
「え? どうでしょう」
「なにそれ」
感極まって、角名君の手をとって、ブンブンと握手をした。
「いたいいたいいたい」
「これからも、よろしく」
「は? さっきからなんなの」
なんて言いながらも握手してくれる角名君は優しいのかなと思った。
1731人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってください (3月31日 9時) (レス) @page18 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 更新待ってました✨続き楽しみにしてます😃 (2022年5月31日 23時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
はねっさん(プロフ) - 続き待ってます!!! (2020年7月30日 22時) (レス) id: 93b3e8542a (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - これおもろいなあと思ってよんどったら、セミとトンボの人ですか!!!どっちもめちゃ好きです!!!(((( (2020年7月25日 8時) (レス) id: d4f4d3c247 (このIDを非表示/違反報告)
仄 - 久しぶりに好きな文面を書く方を見つけてしもうた……好きです (2020年7月23日 2時) (レス) id: 3d4d17e641 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小春-koharu- | 作成日時:2020年7月16日 18時