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あの日からの流れで、何故か男バレの手伝いをすることになってしまった私。
ついに入部届までもらってしまった。
「なんで、これ……」
「毎日来てくれとるからなぁ。宮本さんさえよければ正式にマネージャーに、とおもて」
部活終わりにボールを拭いている北さんの横で入部届をじっと見る。
「備考のとこに、マネージャー希望って書いてくれればええから」
「……入る前提なんですね」
作業の手を止め、キョトンとした顔でこちらを見上げる。
そしてすぐにふっと柔らかい笑顔になった。
「宮本さん、バレー好きやろ。ここの奴らと同じくらい」
やろ? と先ほどより楽しそうに作業に戻る北さん。
確かに、ここ最近はプレーする彼らを無意識に目で追っていることがあった。ニヤニヤした侑に指摘されてから初めて気づいたのだ。
北さんにもバレていたとは。
私はアイツの策略にまんまとはまってしまっているのかもしれない。
*
体育館に行く前に、顧問がいるであろう職員室へ向かう。
失礼します、と扉を開ければ、夏休みのせいなのか先生の数は少なかった。
「お、宮本やないか」
「入部届……お願いします」
したり顔の侑が脳裏に浮かんで腹が立つ。けれどもほだされてしまったのも事実。今回は私の負けとしよう。
色々な感情が渦巻いて、百面相をしていると先生に笑われる。
「いやぁ、人間諦めなければなんとやらやなぁ」
「知ってたんですか」
「まぁな。侑があんだけいっとったからなぁ」
よかったなぁ、とまるで親戚のおじさんのように笑う先生。
なんだか恥ずかしくなって、足早に職員室を後にした。
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黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってください (3月31日 9時) (レス) @page18 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 更新待ってました✨続き楽しみにしてます😃 (2022年5月31日 23時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
はねっさん(プロフ) - 続き待ってます!!! (2020年7月30日 22時) (レス) id: 93b3e8542a (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - これおもろいなあと思ってよんどったら、セミとトンボの人ですか!!!どっちもめちゃ好きです!!!(((( (2020年7月25日 8時) (レス) id: d4f4d3c247 (このIDを非表示/違反報告)
仄 - 久しぶりに好きな文面を書く方を見つけてしもうた……好きです (2020年7月23日 2時) (レス) id: 3d4d17e641 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小春-koharu- | 作成日時:2020年7月16日 18時