標準語が恋しくなった【宮侑】

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「あー！ つっかれた」



伸びをしながら校門をでる侑。つかれたと言っておきながらも割とまだ元気そうである。



体力底なしか。



「あ、せや。自主練、付き合ってくれへん？」



「……自主練ってまだやる気？」



「あったり前や！！」



ちらりと横を歩く治君を見る。



おいしそうにおにぎりを頬張っているのはとてもかわいいのだが、こちらもやる気満々そうで。



体力回復のためのご飯ですか。



「侑はお腹減ってないの？」



「ゼリー飲んできた」



「そっか」



時間帯的にはそこまで遅くは無いので大丈夫だろう。



体力回復のためにも、なるべく早くご飯は食べてもらいたいところではあるが。



「どこ行くの？」



「近くの体育館。あ、親に連絡とか……」



「それなら一人暮らしだから、気にしなくていいよ」



「一人暮らしなん！？」



お目目が飛び出しそうですよ、侑くん。



侑にはいったつもりであったが、どうやら言ってなかったらしい。ありゃ。



「家どこらへんなん？」



あっち、と指をさせば、侑が目を輝かせた。



「学校、ごっつ近いやん！！ ええなぁ。しかもきれいなとこ！！」



キラキラ笑顔で興奮気味。



いや、子供か。



ええなぁ、ええなぁと連呼してくるものだから、私もむずむずしてしまう。



「……今度、来る？」



「ええんか！！」



「ツムが行くんなら、俺も行きたい」



「あはは。聞いてたんだね治君。いいよ、予定会う時おいで」



「よっしゃ！」



なんもないけどね、と言えば、なんかわからんけど楽しみ！ と答えてきた。



そんな侑を見て、悪い気は、しなかった。

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