標準語が恋しくなった２【宮侑】

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「ちょっと……」



「先生呼ぶよ？」



大丈夫？ 宮本さん。



そういって、私のことを起こしてくれる角名くん。



先生呼ぶよがよっぽど聞いたのか、はたまた角名くんの表情が怖かったのか。



女の子たちは置いてあったたこ焼きを取って、逃げていった。



「ごめん、角名くん」



「宮本さん悪くないでしょ。シフトの時間まだあるからなぁ。どっかいたい？」



「いや、大丈夫」



「じゃ、裏方のほう手伝ってきてよ。たぶん赤木さんがいる」



「ごめん。角名くん」



「だから、悪くないなら謝んなくていいから」



シフト終わったら救護テント行こうね、と角名くんは無表情でも優しい。



ごめんともう一度謝ってから、裏へ入る。



「赤木さん」



「へーきか？ なんか、言い合ってたみたいやけど」



「大丈夫なんですけど、手だけ洗ってきてもいいですか？」



「全然ええよ。終わったら、材料運んできもろてええ？」



「了解です」



侑に誘われて、バレー部入って。



飛雄と仲直りできて。



いいことばかりだと思ってたけど、かわりにこっちでの生活が不憫になるって。



こんなことなら、入らなければよかったと思ってしまう自分も嫌で。



侑は教室であの子たちとイチャコラしてんのかな、と考え始めると無性に腹が立つ。



よいしょと小麦粉の袋を持って先輩に渡す。



「はは、顔こわいで。大丈夫か」



「……大丈夫です」



他の先輩にまで心配されてしまう始末だった。

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