小春日和 2 (ページ19)

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涼｢えっ、どうしたっ？やっぱりどっか痛い？｣

滅多に見ないちぃの涙と、狼狽える俺。
どうしよう。どうしてあげるのが正解？

病気のことは割り切っているのか悲観的になる姿を見たことが無かったから、パニックで。
でもどうにかしてあげたくて、とりあえず目の前にあったちぃの手をぎゅっと両手で包み込む。

ひんやりとした小さなそれに胸が痛んだ。

侑｢……ごめんね｣

涼｢ん？｣

侑｢ごめんなさい……りょうすけ｣

弱々しく俺の手を握り返して、ついにぽろっと零れてしまった涙が枕に吸い込まれていく中、ちぃは泣きながら何度も何度も謝る。

どうしたの？と聞いても
大丈夫だよと手に力を入れても

｢ごめんね｣を繰り返されてしまう。

涼｢ちぃ……｣

慧｢……ほら、知念。あんまり泣き過ぎると頭痛くなっちゃうから。それに山田も知念のこと責めたりしてないよ？｣

なんだか俺まで泣きそうになっていると、左手で知念の頭を、右手で俺の頭をぽんぽんと撫でながら伊野尾ちゃんが助け舟を出してくれた。

侑｢……っ、だって、｣

慧｢うん｣

侑｢せっかく、休み……っ、｣

慧｢うんうん｣

侑｢ひさし、ぶりって……、｣

慧｢……そっかそっか。山田久しぶりに休みでゲームいっぱいするって昨日言ってたからか｣

涼｢……ばかか｣

しくしく泣きながら一生懸命話すちぃの言葉を汲み取ってくれた伊野尾ちゃんにそう言われて、悲しいとか腹立つとか馬鹿野郎とか色んな感情が浮かんで、目の前がぼやける。

だめだ。俺が泣いたら余計ちぃを悲しませるのに。

慧｢やまだ、｣

涼｢俺、ちぃのせいで休みが潰れたなんて思ってないから｣

侑｢…っ、でも｣

涼｢俺がそう言ってんだからそうなんだって。迷惑かけたとか思ってんだったら間違いだからな｣

侑｢りょ、すけ……｣

涼｢ごめんより、俺はありがとうって言われたいよ｣

堪えきれなかった涙が、ちぃの手をぬらした。

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