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リハビリの成果が出て、松葉杖が要らなくなった俺は未だ動かしにくくはある足をゆっくり踏み出して侑李の病室へと向かっていた。
………ここ最近、体調が安定しない。
仲良くなった侑李の母親から聞かされた言葉は僅かに感じていた不安を掻き立てるものだった。
リサイタル中胸を抑えることが多くなった。
何処か顔色が悪く無理をしているように見えた。
毎日行われていたのが週に四回、三回、二回……と少しずつ減っていき、今は一回行われるかどうかだ。
辿り着いた病室から激しく咳き込む音が聞こえ、ノックもそこそこに扉を開けた。
侑｢っ、げほげほ……っ、ぁ……りょうすけ、｣
涼｢侑李っ、大丈夫か？｣
侑｢ん、へーき……っ、けほっ｣
激しく上下する胸。
不安定な呼吸を繰り返し、苦しそうな侑李の傍へ駆け寄って上体を起こしたままの背をさする。
ぎゅっと胸元を握りしめた手にはかなり力が入っているようで、服がくしゃくしゃに歪んでいた。
涼｢……今日、松葉杖はもういらないなって言われたんだ｣
侑｢そ、う……っ、さすが…りょーすけ、｣
涼｢……おう｣
侑｢っ、はぁ……はぁっ
お、お祝い……しないと、ね｣
いつもと変わらないたわいも無い会話をしようとするのに、それもままならない。
いつもより発作の時間が長い気がして、俺はこっそりベッド脇のナースコールを押した。
侑｢りょ、すけ……？｣
涼｢…お祝いは、侑李が元気になったらピアノを弾いて？｣
侑｢……うん、｣
パタパタと駆けてくる看護師の足音を聞きながら、俺はずっと侑李の背中をさすっていた。
.
少し前教えてくれた。
侑李の病気は先天性の心疾患を患っている。
幼い頃から入退院を繰り返し、小学校の高学年からは殆どを病院で過ごしてきたらしい。
侑｢…僕の心臓はぽんこつなの。｣
ピアノの前に座り、侑李は俯いて心臓の辺りをぎゅうっと握りしめた。
侑｢薬で症状を抑えてるけど、本当は手術しないといけないんだ｣
涼｢………手術、しないの｣
侑｢………怖い｣
日が傾いて、オレンジ色の夕陽が窓から差し込み侑李に影を落とす。
侑｢………僕は、弱虫だから…｣
今にも泣き出してしまいそうな表情で無理やり作られた笑顔は、今にも消えてしまいそうなほど儚くて
俺は無意識に手を伸ばして細く頼りない体を抱き締めていた。
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hs07810___lx(プロフ) - 2のパスワードがわからないです😭数字ってなんでしょうか (8月2日 13時) (
レス) @page50 id: ee8e4e6178 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみん - リクエストって受け付けてますか？ (2022年4月17日 22時) (レス) id: e9f6dca195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tom | 作成日時：2022年1月30日 16時
