猫の恩返し ページ9
慧side
「なんで猫嫌なの？」
光「まず目が無理気持ち悪い、後でかい」
侑李「いや、猫よりも大きい動物いっぱいいるでしょ」
光「あれよ、みんなが蛇苦手なのと一緒」
飼い猫が逃げたので見つけて欲しいというご近所に住む主婦の方からの依頼。そして薮に任命されたのは俺と知念とそして猫嫌いの光。薮もなんでこのメンツを指名したのかは不明
侑李「猫の種類とか特徴は？」
「あ〜なんかアメリカンショートヘアの猫ちゃんで首輪に大きな黄色いリボンが着いてるんだって」
光「黄色いリボンなんて目立つようなもんつけてんのに見つかんないのかよ。」
侑李「あ〜もう文句ばっかりうるさいよ、ひか。宏太もなんでこの人選んだわけ？幼なじみだからひかが猫嫌いなの知ってるでしょ」
光「薮のことだから面白半分で言ったんだよ」
「断れば良かったじゃん」
光「薮にこないだ仮作っちゃって断れなかった」
侑李「自業自得なんだからちょっとは黙ってやりなよ」
薮も意地悪だよな〜、光がこうなるってこと分かってただろうにさ。光も光だよ。仮があるからとはいえ素直に来るところがピュアすぎる。うちの大ちゃんなんて俺に仮あったとしても返すことなんてないのにさ
光「ねぇ…なんか猫の鳴き声しない？」
「えっ嘘」
侑李「どっから？」
光「そこから」
光が指さしたのは小さな川？いや側溝か…でも雑草が生い茂ってて猫が居るかは分かんない
光「ほら、鳴いてるって！」
侑李「僕嫌だよ、この雑草掻き分けて探すの」
「鳴いてるって言うんだったら光が見てよ」
光「ええーもう」
いや、見るんかい。猫嫌いなんじゃないんかい。ビュアなのかただのアホなのか
光「ほら、居た！」
侑李「本当に居たんだけど…ひかすご」
光が雑草をかきわければ水に濡れてぶるぶると震えている黄色いリボンをつけた猫が居た
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作者名：小春 | 作成日時：2024年3月16日 0時
