甘い香り ページ8
大貴side
慧｢ねぇ大ちゃんどうしたの？今日は甘えた？｣
｢んぅ…｣
サークル室の俺がいつも寝てるソファに座る伊野ちゃんに、向かいあわせでになって座る。そして伊野ちゃんの胸に顔をぐってくっつけるの。
伊野ちゃんの心臓の音がする。伊野ちゃんは生きてる。そう思うだけで安心する。俺の心臓にはない力強い動き、音。
慧｢なんかあった？｣
｢なんにもない｣
慧｢なんにもないのにこんな甘えたなの？笑｣
｢だめなの｣
慧｢だめじゃないよ｣
大学生にもなって恋人でもないのにこんなことしてるのおかしいと思う。けど俺と伊野ちゃんは少し変わった環境で育ってきたからお互いが不安な時はこうしてお互いで安心させる。そうして生きてきた
宏太｢おつかれ〜、おう、大ちゃん。久しぶりの甘えたモードなのか｣
｢やぶちゃん｣
宏太｢可愛いなぁ〜｣
授業が終わってやってきた薮ちゃんも俺の不安定さに気づいてくれて隣に来て頭を撫でてくれる。薮ちゃんに限らず、�睫擇發劼�も俺がこうなるとみんな甘やかしてくれる
そりゃ初めは驚いてたけど、3人とも優しいから事情も聞いてこない。ただこうなった時はびっくりするくらいどろどろに甘やかしてくれる。気づけばひかも�睫擇皺兇亮�りを囲んで、沢山沢山安心させてくれるようにいっぱい言葉をかけてくれる
最近感じてしまうんだ。もう本当に自分の残された時間が短いことを…前よりも増えた胸の痛み、呼吸の苦しさ、貧血。もうどれも薬を飲んでも効かない
でもそれは誰にも言わない。死ぬ時は1人でそう決めたから。伊野ちゃんなんて俺が死んでしまったら後を追って来ちゃいそうだし、そんなことさせないために俺だってこのサークル入ったんだから
だからもうあと少ししたら感じれなくなってしまう君の暖かさを感じることができる今、沢山沢山感じてたい。
伊野ちゃんが生きてるってそれだけで俺は幸せ
END
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作者名：小春 | 作成日時：2024年3月16日 0時
