妖精が壊れた世界 (ページ37)

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裕翔side

雄也「結構綺麗だね〜。男性の一人暮らしだと思えない」

「そうだね」

俺と髙木くんは三好さんの家に来てる。でも荒れてるとかそういった様子もないし、なんならめちゃくちゃ綺麗で……

「恋人とかも居なさそうだね。なにこれアルバム？」

綺麗に整頓されている中で一際大きく目立つ1冊のノート

雄也「嘘でしょ……なんで山上さんとの写真ばかり。三好さんも山上さんもお互いに大切に思ってたんだろうな」

「大切に…か」

もしかしたら三好さんはあいつと同じ気持ちを持っていたのかもしれない。この息苦しい世界で生きることに疲れてしまったのかもしれない。

雄也「裕翔、ごめん。薮くんから電話来たから出てくる。ちょっと中見てて」

「分かった」

髙木くんが出て、もう少しアルバムが置いてあった場所を調べてみた。そしたら出てきたんだ

「ラブレター」

三好さんは本当に苦してんでたんだ。誰にも言えないこの想いを

【ねぇ…俺、裕翔が好きだった。ごめんね、こんな時に】

【気持ちだけ受け取って。他は何も望まない。大好き】

それを握れば思い出してくる昔の記憶。あいつの気持ちを分かってやれない自分をすごく憎んだ。

これを山上さんに伝えてもいいものなのか。三好さんはそれを望んでいるのか。好きという気持ちは自由だけれども時より相手も自分を苦しめてしまう。

雄也「裕翔どうかした？」

「あっ！戻ってたんだ笑ごめんごめん、ぼーっとしてた笑」

雄也「薮くんが１回サークル戻って来いって、どんな感じだったか報告して欲しいらしい」

「うん。分かった」

相手を大切に思っているだけなのに、なんでこんなにも苦しくなるのだろう。それは同性だからですか。