妖精が壊れた世界 (ページ33)

今日:5 hit、昨日:31 hit、合計:14,459 hit

人魚姫ページ33

裕翔side

目の前で人が死んでいるのにも関わらず、平然とただただその苦しみながら死んだであろう顔を見つめて入れるのは何故なのだろうか。

キャーっと言う女性の通行人の声ではっと意識が戻っていく。あぁ今日も人が死んだ。どうやら目の前で死んでいる人は近くの高いホテルから飛び降りたらしい。手足も変な方向に曲がってるし、出血の量も異常でたぶんもう生きてない。なのに救急車を呼び、心臓マッサージを行う人達

自ら命を捨てたんだから、もうほっといてあげればいいのに

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

宏太「依頼が来たよ。33歳の会社員の人から」

侑李「最近依頼くるスパン早くない？いくら何でも屋だって言ってもこんなに頻繁に来るんだったら大変なんだけど」

慧「探偵なんかと違って料金とかもお手軽だしね。手を出しやすいんだろうね」

侑李「舐められたもんだね」

「で依頼って？」

宏太「あぁ依頼主の同僚の人が飛び降りて死んだらしい。なんで自ら命を絶ったのか調べて欲しいらしい」

「ねぇその人っていつどこで亡くなったの？」

宏太「駅前のホテルルミナスから飛び降りたって。こないだの日曜日」

「俺、その場に居たかも。駅前歩いてたら目の前に人が上から落ちてきて」

光「えぇよくそんなで平然と3日も過ごせたね。おれだったら無理だ」

大貴「ひか、すぐに吐くもんね」

自分でも思う。何故か人の死について悲しんだり驚いたりすることがあんまりなかった。まぁ多分幼少期の頃の経験だろうけど

雄也「とりあえずその人について周りの人間から話聞いた方がいいよね。じゃないと分からないだろうし」

涼介「なんか本当に探偵っぽくなってきた」

宏太「これからはペアになって動いた方がいいな。じゃあ伊野尾と山田、俺と侑李、大ちゃんと光、裕翔と雄也ね」

大貴「なんでひかとなの！」

侑李「そうしないと大貴サボるからでしょ」

雄也「裕翔よろしくね」

「うん」

前回は知念が自分の過去をみんなに話したけど、もしかしたら今回は俺の番なのかもしれない。なんとなくだけどそう思う。