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侑李side
いつもの帰り道。年上組とは帰りの駅が違うから大学で別れて、ゆーてぃはどうやらこの後寄るところがあるからと涼介と2人きり。
涼介「知念…大丈夫?」
「大丈夫。びっくりしたよね」
涼介「うん。まぁ」
自分でもまさかこんなことになるなんて思わなかった。そのくらい自分で制御が効かなかった
「僕も体に2人と同じような傷とか痣があるの。それを思い出すとなんかなんにも考えられなくなっちゃった。」
涼介「そっか」
「なんでか聞かないの?」
涼介「うん。きっと知念にとっては辛いことだろうから、無理には聞かない。知念のタイミングで話してくれたらいいよ」
「ありがと」
涼介は優しい。相手の気持ちを考えて尊重できる人。きっと気になるはずなのに、どうして僕が体に痣があるのか、2人をみてあんな感じになってしまったのか…まぁもしかしたら気づいているのかも知れないけど
涼介「あっここ雄也と仲のいい梅野さんの家だよね…そういえば火事で燃えたって言ってたな…梅野さん大丈夫かな」
火事ね…今でも思い出す。姉に手を引かれて逃げた時、振り返れば真っ赤に燃えてる家。助けてと叫ぶ母の声。お前らのせいだと言い放った父親の声。全部が鮮明に頭の中で再生されてしまう。
涼介「ん、ちね…知念!」
「えっあっ、」
涼介「知念本当に大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。梅野さんなら雄也が連絡取って軽いやけどで済んだって、でもご高齢のだから今は近くの病院で検査入院だって」
涼介「そっか…良かった」
その時ふと思った…本当にふと
もし実くんと翔くんが僕と同じような体験をしているのなら、僕と同じような過ちをしてしまってるんじゃないかって
「ねぇ涼介…実くん達ってこっちに来たの最近だって言ってたよね」
涼介「うん。そう言ってたね」
「それでこの辺で火事が多発するようになったのもここ1、2週間の話だよね」
涼介「えっと…たぶん?」
「涼介もしかしたらこれから大変なことが起こるかもしれない」
翔くんと実くんが僕と…いや僕とお姉ちゃんのように同じような気持ちを持ってしまっているのなら全部終わってしまうかもしれない
『大人が憎くて憎くて仕方がない』
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作者名:小春 | 作成日時:2024年2月22日 22時