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グリーンside
『としみつくん。花が綺麗ですよ』
『先ほどのお店見ましたか? 美味しそうでしたね』
『暑いのでは? あそこのお店に寄りましょう』
Aさんに間接的にフラれた俺は落ち込む暇もなく、この謎の声の言うがままに行動していた。
「なぁ」
『はい、なんですか』
「ミッションは失敗したんだから、お前の役目終わったんじゃねぇの?」
そう言うと少しだまる。
『傷心な人に寄り添うまでが、役目です』
「なんだそれ」
『……ふふっ』
笑い声を聞いて、はっとする。
聞いたことのある笑い声だったからだ。
「もしかして___?」
元カノの名前が口から出た。
あり得ない話だ。
でもどうしても、聞きたくなってしまった。
長い沈黙が流れる。
「いや、なんでもない。忘れて」
『……すごい』
「?」
『よく分かったねぇ』
その声はあの男か女か分からない声ではなかった。
聞き慣れた声。
俺は思わず息をのんだ。
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ゆるり。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。設定がとても新鮮で、続きがとても気になります…!更新、楽しみに待っています^ - ^! (2018年9月30日 12時) (レス) id: 754e0e8a24 (このIDを非表示/違反報告)
みくり(プロフ) - 世界観に引き込まれて、とても面白いです!更新頑張ってください!! (2018年9月17日 23時) (レス) id: 0f43d4ade0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃ | 作成日時:2018年9月6日 14時