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オレンジside
待ち合わせ場所に着くとすでにAちゃんが立っていた。
待たせちゃったかな。手には大きなレジ袋を持っている。
A「てつやくん！おはよう。
お友達は大丈夫？」
「……うん、大丈夫。それ貸して、持つから」
A「ありがとう。
台所貸してもらえたらなにか作るよ」
「いいの？なにからなにまでごめんね」
A「いいよ、気にしないで！
私、腕によりをかけて作るから！」
Aちゃんがいつもより声を大きめにしてそう言った。
……ちょっと、複雑な気持ちだ。
______
___
A「お邪魔します……」
あくまでも看病に来てくれただけ。それでもやっぱり女の子を家に招き入れるのは緊張するな。
しかも意中の。
掃除をしてなんとか綺麗になった……かも。汚い部屋にAちゃんがいるのは想像もつかないし引かれるに決まってるから。
「ここでお願い。
俺もなにか手伝うよ」
A「じゃあ、卵をください」
「了解」
Aちゃんの手によっておいしそうなお粥が作られた。部屋中に広がる食欲をそそる匂い。
A「てつやくん。食べてみて」
さりげなくあーんか……Aちゃんの行動にはドキドキさせられっぱなしだ。
「うん、うまい。
きっとあいつも喜ぶね」
A「よかった」
嬉しそうに笑うAちゃん
とてつもなく独り占めしたい。くそ……ダメだ。
本当はこのお粥も自分で食べてしまいたい……
けどAちゃんの優しさを踏みにじるわけにはいかない。
「本当にありがとう。
家でゆっくりしてほしいのは山々なんだけどさ。これ以上いて、風邪ひいちゃうと怖いから、喫茶店にいかない？」
A「全然いいよ。逆に押し掛けてごめんね」
「それは気にしなくていーの！
ちょっと待ってて、お粥渡してくるから」
A「うん」
___
「としみーつ、大丈夫？」
「……なに」
「お粥、俺がつくった」
「ありがと……でもきも」
「ひでぇ」
「風邪移るからあっちいけ」
「はいはい、ゆっくりしてろよ」
「ん」
___
「Aちゃん。そろそろ行こっか」
A「うん。
お大事に、お友達さん」
Aちゃんはとしみつのいる部屋に聞こえるだけのあまり大きくない声で呼びかけた。
もちろん返事はない。
ひやひやした。
この声は？
なんて言って出てきたら困るから。
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ゆるり。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。設定がとても新鮮で、続きがとても気になります…！更新、楽しみに待っています^ - ^！ (2018年9月30日 12時) (
レス) id: 754e0e8a24 (このIDを非表示/違反報告)
みくり(プロフ) - 世界観に引き込まれて、とても面白いです！更新頑張ってください！！ (2018年9月17日 23時) (レス) id: 0f43d4ade0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃ | 作成日時：2018年9月6日 14時
