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オレンジside
「ただいま」
としみつが帰ってきた。
「ん、おかえり」
「なにもってんの?それ」
「ケーキ」
「どういう風の吹き回しなんだろう?」
りょうが言う。本当にその通りだ。
『今日のミッションです。
としみつさんが買ってきた甘いケーキにあうドリンクを自販機で買ってきて下さい』
「俺ちょっと飲み物買ってくるわ。安心して、皆のも買ってくっから」
「……どういう風の吹き回しなんだろう」
______
___
「これでいっか」
6本もキンキンに冷えたジュースを持つのはいくら今日が暑くてもきつい。
急いで帰ろ。
「……あたり
もう一本もらえる……ってか!?」
嘘だ、こんなときに限って。
向こうから女の子がやってくる。……仕方ない。
「あの突然なんだけど俺のこと助けると思ってジュース一本貰ってくれないかな」
「え?」
「好きなの選んで」
「えっと……ならこれを」
聞いたことのある声に思わず顔をじぃっと見る。
長いまつげでぱちくり、ぱちくり。
「……Aちゃん?」
A「はい!昨日ぶり、ですね」
Aちゃんはそれを受けとると冷たい、と言って額にジュースをあてた。
そして汗をかく俺を見て、同じようにジュースを額にあててくれた。
「……ありがと。きもちいね」
A「よかった。
まさか喫茶店以外で会えるとは思ってなかったです。こんなに沢山のジュース、お一人で?」
「違う違う、友達の」
A「友達の……」
Aちゃんは何かを思い浮かべているような不思議な顔になった。けれどすぐに戻って
A「優しいんですね」
と笑った。
「ちょっとそこに座って飲んでかない?
てつや喫茶、Aちゃんだけ招いちゃう」
A「ありがとうございます、ご一緒させてもらおうかな」
___
Aちゃんと他愛のない話で盛り上がる。ジュースを飲む彼女の姿にいちいちドキドキしていた。
『彼女と連絡先を交換するチャンスです』
「付き合ってくれてありがとうね。そろそろうちに帰らないと」
A「こちらこそ楽しかったです。ありがとうございました!」
「ちょっとお願いがあるんだけど、いいかな?」
A「はい」
「あのさ、連絡先交換しない?こんな風に会えるのってなかなかないと思うから。
あと、話し方も崩していいよ。俺みたいに」
A「勿論です。あっ
勿論」
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ゆるり。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。設定がとても新鮮で、続きがとても気になります…!更新、楽しみに待っています^ - ^! (2018年9月30日 12時) (レス) id: 754e0e8a24 (このIDを非表示/違反報告)
みくり(プロフ) - 世界観に引き込まれて、とても面白いです!更新頑張ってください!! (2018年9月17日 23時) (レス) id: 0f43d4ade0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃ | 作成日時:2018年9月6日 14時