降谷零の上司 2【名探偵コナン】 (ページ47)

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Aside

私は爆発が起こった方向とは逆を向いた。

目を開けると入江の背後は倉庫のような所で、ドアで仕切られていたが爆風で崩れていて火はもう此方にまで回ってきていた。

自分が死ぬ、という怖さも相まって入江と伊藤は意識を失っていた。

『ここで死んでもらっちゃ困るんだけど！？』

とりあえず伊藤の足を重ね、頭側から脇に手を入れて火元から遠い所に運ぶ。

次は入江だ。

出来ることなら降谷か風見に電話を掛けて助けを呼びたいところだが、この爆発音を聞きつけてもう此方に向かっているだろう。

それなら今、目の前にある命を助けに行った方がいい。

『ｯｯ入江？』

入江が、いない。

あたりを見回しても真っ赤な炎と煙だけ。

『入江ｯ！入江？！』

叫ぶと煙も一緒に吸い込んでしまうが、今はそんなこと言っていられない。

入江は今にも崩れそうな倉庫の棚の間にいた。

『入江！！』

「.......どうしてこんな所にいるんだい？早く逃げないと。」

『貴方と一緒に逃げるため。』

「.......僕を生かせばまた殺しに行くかもしれないよ？」

『元々死と隣り合わせなんだから変わらないわ。それに、生きて罪を償ってもらわなきゃ、ね？』

「.......そっか、」

じゃあ、一緒に逃げようと手を差し出した瞬間入江は倒れてきた棚によって姿を消した。