降谷零の上司 2【名探偵コナン】 (ページ45)

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思わず、僕は走り出した。

小学校の時に火事が起こったら戻るなって言われた気もするが、そんなこと言ってられない。

僕に続いて部下も走り出す。

工場の前に着けば焦臭いがする。

原型はまだとどめてはいるが廃工場のためもう崩壊寸前だ。

僕は迷わず炎の渦に飛び込んだ。

「Aさん！Aさん！！」

必死に呼ぶと共に煙も自分の肺の中に入ってくる。
不味いな、早く見つけなければ

「Aさん！！.......ごほｯ、Aさ、」

『降谷！！』

「！！Aさん！」

そこには、あの顔に大きな傷があった男をおぶっているAさんが、いた。

「大丈夫ですか！？」

『大丈夫！それよりそこにいるもう1人連れて来て！』

「はい！」

真っ白なパーカー、いやもう灰だらけで黒いパーカーを着た男が意識を失って横たわっていた。

『出るよ！』

「了解！」

僕とAさんは炎の中を早歩きで出た。

工場を出た瞬間、背後で崩れる音がした。

「危な、かった.......」

「Aさん！降谷さん！！」

心配そうに駆け寄ってくる部下達を見て、自分たちは無事に帰れたのか、と少し安心する。

『市川は？？』

「先程救急車で運ばれました。意識はあったので大丈夫なハズです。」

『よかった、じゃあこの2人も救急車で運ぼうか。』

あー、重い重い、と言いながらおぶっていた男を地面にゆっくりと下ろす。

「Aさんも救急車で運んで貰った方がいいのでは？？煙も吸ってるはずですし.......」

『私は大丈夫だよ、降谷こそ病院行った方がいいと思うよ？』

「いえ、僕は構いませんが.......」

『じゃあ、あとよろしくね？私は警察庁に戻るから！』

「ちょ.......！！」

どこまで無理するんだ。貴女は。