降谷零の上司 2【名探偵コナン】 (ページ29)

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Aside

「「「『いただきまーす！』」」」

ぱちん、と手を合わせて焼けたお肉や魚を口に運ぶ。

食べ物の匂いには敏感な元太くんが1番に目を覚まし、その声大きなにみんなが起こされたのだった。

「やっぱ肉はうめーな！！」

「元太くん！野菜も食べなきゃダメですよ！」

「元太くんばっかりお肉食べてずるーい！」

「な、なんだよ！！」

『まあまあ、お肉はまだあるからいっぱい食べてねー？』

「「「はーい！！」」」

ちょっと小学校の先生になった気分。

あー、こんなのんびりした時間が続けばいいのに。

寝床からこっそりと抜け出せば、ひんやりとした風が頬を掠める。

そのままにしてあった椅子に腰掛けて空を見上げる。

東都では見られないほどの満天の星空だ。

『.......ふぅ』

空を見上げるのなんていつぶりだろうか。

目まぐるしい日々を送っている中で星はずっと輝き続けていたのに、そんなことにも気づけなかったのか。

「.......星が綺麗だね。」

『.......そうだね。コナン君。』

静かに私が座っていた椅子の横にある椅子に座るコナン君。

「.......上手くいきそう？Aさん。」

コナン君は私のことをAさん、と呼ぶ。

蘭ちゃんは蘭姉ちゃんだし、園子ちゃんは園子姉ちゃん。

きっと“彼”の立場を理解してそう呼ぶのだろう。

『.......凄く怖いよ、上手くいくかなんてわからないもの。』

夜空をまた見上げれば輝く星。

『.......でも、私以外誰も死なせない。絶対に。』

組織を壊滅するには犠牲は必要だ。

その犠牲は私だけでいい。私だけで。