降谷零の上司 2【名探偵コナン】 (ページ14)

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Aside

『バ、バーボン.......？』

「.......あぁ、すみません。手を強く引っ張ってしまいましたね。」

『え？うん？』

私はバーボンから少し離れて体勢を整える。

「僕は路地裏に止めておきます。何かあれば合図を。」

『わかった』

私はバーボンに手を振り、そのままバーへ足を運んだ。

店内は暗めでシックなBGMが流れている。
私はカウンターに座り、度数が低めのカクテルを頼み相澤を待った。

＿＿＿来た。

顔は写真でしか見ていないが、イケメンだ。
歳は30代というが落ち着いた雰囲気を醸し出しており、ホテルへと誘いを受ければ殆どの女性は着いていってしまうだろう。

生憎、私は男所帯の仕事なので全くときめきはしないが。

辺りをぐるりと見渡す彼を横目に私はカクテルに口付けた。
まあ、私のような平凡な顔のところには自分から来ないだろうから話しかけに行くしかないか、なんて考えていたら

「隣、いいかな？」

来た。ラッキー、私今日ツイてる気がする。

『構いませんよ』

にこりと微笑めば相澤は私の隣に腰掛ける。

「お一人ですか？」

『そうなんです。貴方も？』

「えぇ。貴女のような綺麗な女性が1人でどうされたんです？」

『綺麗だなんて.......、失恋したんです』

「貴女を手放すような男がいるんですか？」

『まぁ.......酷く振られたんです』

少し声を震わせて下を向く。

弱い姿を見せればきっと相澤はこれに漬け込んで来るはず。
ちらりと見えないように相澤の顔を伺えば、口元はニタリ、と弧を描いていた。

「僕なら貴女をこんなにも悲しませないのに」

歯の浮くようなセリフを吐く相澤。

私は相澤を悲しそうに見上げる。

『.......なら、私を慰めてくれませんか？』

相澤は満足そうに頷いて私の肩を抱いた。