降谷零の上司【名探偵コナン】

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Aside





こんなにも飲んだ日は今まであっただろうかと思うほど飲んでいる。


でも、まだ酔ったという感じがしていない。

まあすぐ酔うような人間は公安にはなれないのだが。


「終電なくなったな」

『知ってる、どうする？』

「そうだな.......」




朝は電車に乗って来たから車はない。そもそもそんなことしたら飲酒運転だ。

車で登頂するくらいだからここから歩いて帰っても夜があけてしまうかもしれない。




『もう少し、酔わない？』

「まだ酔ってもないだろ」

『先は長いね』




顔を見合わせてにやりと笑った。




「彼女にアラスカを」


赤井秀一はこんなにもロマンチストな人間だったか。


『彼にハイランドクーラーを』




もう特に会話も無かった。

雰囲気を楽しむだけで充分なほど彼の隣は信頼できた。


ただ、そんな中でふと浮かぶのは降谷の顔。




まだゼロで仕事をしているのか、
もしかしたら徹夜でもしてるんじゃないか。

組織の仕事に出ているのか、
怪我してないか。



あの真剣な顔は上司である私から見てもかっこよく、こんな部下を持てたことが誇らしい。


たまに見せる強引さもたまに見せる笑顔も、





全部、好き。





でもこの想いを伝えてはいけない。



私が想いを伝えれば、上司だからと余計な気を遣わせてしまうかもしれない。

私の想いはきっと彼の将来の足枷になるだろう。



彼の出世の邪魔なんかしたくない。






「俺のことも見てくれ」

『.......え？』




ぐっ、と顔を寄せられ真っ直ぐに見つめられる美しいモスグリーンの瞳。






「だから、降谷君のことだけじゃなくて俺のことも見てくれ。」






なんだか、胸が苦しくなった気がした。









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アラスカのカクテル言葉＿＿＿＿



偽りなき心





ハイランドクーラーのカクテル言葉＿＿＿＿



憧れ

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