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Aside
「遅いぞ、ミスティ。」
『私を暇人だと思ってるの?私だって忙しいのー』
なんて冗談ぽく言いながら、私は椅子に座る。
『え、ちょっとジン?そんなに怒んないでよ??』
「.......怒ってねぇ」
いや怒ってるだろ。
そんな睨まないでこわい
「.......明日の夜、疑わしい者を消す。」
『.......そ、誰?』
「コンテッサだ。」
『NOCだったの?』
「CIAの奴と会っていた。」
『疑わしきは罰する、ってこと』
「それが俺の流儀だからな。」
また1人、組織壊滅という夢を抱いた仲間を消さなくてはならない。
大義を成し遂げるには犠牲はつきものだ。
なんと残酷で悲しい世界なんだろう。
『私はどうしたらいいの?』
「お前はコンテッサをアジトへ呼び出せ。」
『了解』
用件が済んだようだったので、私は家に帰ることにした。
「おい」
『なに?ジン?』
煙草を吸い、遠くを見ながら帰ろうとしている私に話しかけるジン。
「俺はお前を信じている。だから、そんな悲しそうな顔をするな。」
『っ、ありがとう』
私はジンに顔を見られたくなくて、逃げるようにアジトを出た。
ジンは私のことを信頼してくれている。
ウォッカがジンの右腕としたら、私は左腕と言われるほど。
ジンは人殺しなんかしなかったら、私に対しては優しい人ではある。
さっきだって、私が仲間のことを思ったら泣きそうになってしまって心配してくれた。
少しの表情の変化も見逃さない。
それがNOCを見破る力でもあり、
人を大切に思う力でもあった。
最終的に、私はジンを裏切らなければならない。
だって私は公安の人間だから。
信じてくれた人を裏切るのは、どんな人でも心は痛むものだ。
早く帰りたくて、車のアクセルを踏み込んだ。
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明里香(プロフ) - 47話に誤字がありました。「そうんなことない」ではなく、「そんなことない」です。 (2019年4月21日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲羅 - コメント失礼します。中々降谷さんの上司設定は見ないので作ってくださりありがとうございます!とても面白いです、更新頑張ってください。コメント残してすみませんでした…… (2019年3月31日 0時) (レス) id: 2922ef075c (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - 初めまして、続き頑張って下さい。初コメ (2019年3月30日 22時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コハル | 作成日時:2019年3月29日 22時