弟よりも/Shoma ページ27
「聞いてよゆづ。しょーまが可愛すぎて弟にしたい案件」
羽「それを毎日のように聞かされる俺の身にもなってくんない?そろそろ氷の中埋めるよ」
「ゆづもリンクも冷たいっ」
幼馴染みは顔を顰め、はぁとため息をつく。
王子だとか貴公子だとかはどこいった。
数々の天然発言と可愛らしい笑顔、そして素晴らしい演技のギャップがあり、私みたいな奴には心臓がもたないのだ。
ほんっと、弟に欲しい。可愛すぎ。
宇「あ...Aちゃん、ゆづくん」
リンクを滑っていた彼は私達を見つけると、少し頬を緩めてこちらに上がってくる。
「昌磨。どう?調子は」
羽「ぶはっ」
ゆづは隣で吹き出した。
昌磨本人の前ではいい先輩を取り繕ってるんだけど、ゆづは毎回のように笑う。
宇「順調ですよ。今日は眠くないですし」
はぁ、可愛いかよ。
「そう、次の世界選手権も頑張りましょ」
私はにこ、と淑やかに笑う。
羽「そ、だねっ」
ゆづに至っては今日はツボに入ったか、ずっと笑ってる。
宇「ゆづくん、あの話本当?めちゃめちゃ普通だけど」
羽「笑ってみな、とびっきりの笑顔で」
私は繰り広げられる会話を聞きながら、なんのことだと思いつつもぼーっとする。
昌磨可愛いなぁ
宇「Aちゃん」
名前を呼ばれ、ん?と向くと彼はニコッと天使のような笑みを浮かべて頬を染めていた。
「可愛すぎか」
羽「ね?」
私がやばっ、と口元を抑えるよりも早くゆづは昌磨に笑いかけた。
昌磨は少し考えてから、いつもは出番の少ない真剣な表情で私の方へ歩いてくる。
そして、リンクを背にした私の、後ろの壁。
そこに彼は両腕をつき、私を囲んだ。
数センチしか差のないからか、彼は少し下にいた。
「...ん?」
宇「俺も、男なんですけど」
真剣な声と顔に、私はドクンッと胸が音を立てた。
そしてズルズルと崩れ落ち、しゃがみこむ形で顔を手で覆う。
「可愛い、無理、死ぬ」
私が呪文のようにその言葉を呟いてる頃、頭上ではゆづと昌磨が顔を見合わせて
宇「手強いですね」
羽「思ったより重症だった」
なんて会話をしていたことに、私はまだ気付かない。
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琥珀糖(プロフ) - ぬさん» リクエストありがとうございます。とても素敵なネタですね!頑張って書きます。これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - astroyuzさん» コメントありがとうございます。主の性格には特に気を付けましたので、そう言って貰えると嬉しいです!これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - 昌磨君と幼なじみのスケーターさんでエキシビで昌磨君にプロポーズされる小説お願いします (2018年3月30日 8時) (携帯から) (レス) id: b271d24507 (このIDを非表示/違反報告)
astroyuz(プロフ) - 男主のお話がとても好きです。いい男なんだろうな、と楽しく拝読いたしました。ヒロイン嬢もおかわいらしく、癒やされました。この先の更新も楽しみにお待ち致しております。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: afb95e6422 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - なほなりさん» コメントありがとうございます、気付くのが遅れて申し訳ございません!そう褒めてもらえるととても嬉しいです!これからよろしくお願いします。 (2018年3月16日 17時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀糖 | 作成日時:2018年2月25日 22時