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忍の正体 ページ7
そのころ、月山富田城。
二十余畳の間に居座る女子(おなご)が二人いた。二人が居る間にある照明は蝋燭一本のみ。
それが灯す僅かな明かりが、障子の向こうから差し込む月明かりと共に二人の姿を映し出す。
一人は一段高い座に堂々と座り、もう一人はその女子に跪いていた。
沈黙が続いていた間で、跪いている方の女子が言葉を発した。
「......現在、大宮柊と相澤きぃは吉田郡山城にて酌をしておりまする」
「......そうか」
そう返して顔を上げた女子は、尼子家の家臣である木ノ下琥珀であった。
(彼奴等は生き残ったか)
「もうよい、下がれ」
「はっ」
琥珀に下癖を入れられた女子が立ち上がり後ろに向いたとき、後ろから小さな声でこう聞こえた。
「......御苦労であったな、桜」
「......」
桜と呼ばれたその人物は、返事をせずに屋根裏へと消えた。
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琥珀‐KOHAKU-(プロフ) - 感想やアドバイスなど、ご自由にご記入ください！できるだけ返事をいたします。 (2019年10月7日 1時) (
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作者名：琥珀‐KOHAKU- | 作成日時：2019年10月7日 1時
