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豊後国 ページ24
琥珀は臼杵城内の屋敷の一室にて、茶を飲みながら城主が来るのを待っていた。
その部屋の屋根裏には疾風が居る。するとそこに障子がすっと開かれ、外から齢十三程の餓鬼が入ってきた。
「......」
琥珀は、笑みを浮かべるそいつの顔を見るなり、フンッと鼻を鳴らして顔を元の位置に戻した。
「......」
そいつは琥珀の真ん前に来て、正座をした。暫くして、全く動く様子がない事にしびれを切らした琥珀はそいつに向かって一言「出てゆけ」と命じた。だがそいつは無視を決め込み再び笑顔で「こんにちはー」と言った。少し眉をピクリと動かして琥珀は返す。
「ここは貴様の様な餓鬼が来るところではない」
「じゃあ、お姉ちゃん達は何処にいるの？」
「......？」
「貴様、お姉ちゃん、とは我の事か」
琥珀はそいつに問うた。そいつは「うん」と答える。
「何処にいる、とはどういうことであるか」
今度はやわらかめに言葉を返す、文脈がおかしいので、ろくな教育を受けていないのだろう。するとそいつは困った顔をした。
「裕也お兄ちゃん知らない？」
(裕也......毛利の忍か)
思わぬ名が飛び出してきて少しびっくりしたが、その名を聞いて琥珀は推測した。
「裕也と兄弟関係なのか？」
「うん。お兄ちゃんとはぐれちゃった」
「ではなぜ貴様はここにおるのだ」
そう聞くと、そいつは舌を出して「なんか、ここに来ちゃった」と言った。
よくよく考えれば、こんなところで齢十九の武士と齢十三の餓鬼が一対一になって話すのはおかしいことだった。
「......貴様もしや、臼杵城主の代わり番をしておるのか？」
「......さぁ......？」
「否、か」
そいつの返答を聞くに、本当に勘だけでここへ来たようだ。
(城主が来るまで、暫しこやつと話すか)
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琥珀‐KOHAKU-(プロフ) - 感想やアドバイスなど、ご自由にご記入ください！できるだけ返事をいたします。 (2019年10月7日 1時) (
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作者名：琥珀‐KOHAKU- | 作成日時：2019年10月7日 1時
