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琥珀の想い―弐 ページ12




「あそこで落胆しておる者が居るであろう。彼奴等ぞ」



そこには確かに、何人かの兵が座り込んで下を向いていた。



「ほんとだァ......なぁにやってんだろうかねぇ......」



「大丈夫なのか......?」



二人がそう言っていると、琥珀が再び話し出した。



「彼奴等は、飲むに飲めぬ者共ぞ。......幾日か前の毛利や山名との戦にて死んだ者。その者等の友ぞ」



琥珀がそう言うと、二人は顔を少し苦くした。



「......我が仮に飲めたとしても、彼奴等のことを思うととても飲めるとは思えぬわ」



「まぁ、それはそうだろうな......」



「生き残っても、友が死んじまえばそれまでだよな。もう戦う気なんて起きねえだろうよ」



そう言って巴房は、もう一口酒を飲んだ。すると忍の方が下を向き、口を開いた。



「また、戦う日が来るんだろうな......いつかは......」



それを聞くと、巴房が盃の内にある酒を見つめながら話した。



「......それが乱世だ。仕方ねぇさ」



琥珀は目の光を消し、静かに一点を見つめていた。黙りこくる琥珀に心配そうに忍が声をかけた。



「......琥珀さん?」



忍に声をかけられた琥珀は、はっと目に光を戻し、返事をした。



「......否、何もない」



言い終わった後、琥珀は二人の顔を見上げ、眉を顰めた。



「それより......いつまでここにいるつもりだ。ここはつまらぬ。早に宴会場に戻れ」



「......我を、暫く一人にしろ。疾風、巴房」



名を呼ばれた疾風と巴房は、それぞれの返事をしてその場から立ち去り、大人しく宴会場へと戻っていった。


毛利の忍→←琥珀の想い



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琥珀‐KOHAKU-(プロフ) - 感想やアドバイスなど、ご自由にご記入ください!できるだけ返事をいたします。 (2019年10月7日 1時) (レス) id: 7c741c0c9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀‐KOHAKU- | 作成日時:2019年10月7日 1時

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