検索窓
今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:2,144 hit

常無 ページ2



きぃは主である元就から、平原の中心に攻め入り、陣を張れと命令されていた。



だから、ここは絶対に切り抜けなければならなかった。



琥珀は既に陣を張る準備をしており、きぃをまっすぐに見据えていた。



あんなに表情豊かだった琥珀は、しばらく見ぬうちに『常無』とうわさされるまで常に無表情になってしまった。



馬にまたがったままのきぃから見ても、その雰囲気は容易に感じられた。



しばらく見合っていると、琥珀は突然腰に差していた刀を鞘ごと引き抜き、きぃに向かい突き出した。



琥珀はそのままきぃの方向へゆっくりと歩いて行く。



きぃは一旦馬から降り、迫ってくる琥珀を只見ていた。



すると琥珀は刀を引き抜き一気にきぃの元へと駆けた。



「......」



「......!?」



攻撃に備えてあわてて刀を引き抜いたきぃは、迫り来る琥珀から距離を取ろうと後ろに飛び退いた。



だが、琥珀の走る速度は緩まない。



一気に間を詰められたきぃは、上段で斬りかかってきた琥珀の刀を間一髪で防いだ。



辺りに、刃が交わる音が響く。



「......はッ......」



その音でようやくまわりの音声が聞こえてきたきぃは、まわりを見て愕然となった。



「......あ」



気迫のある声を上げながら相手に斬りかかっている者から、呆気なく殺られてしまっている者まで、様々な者共がきぃ達の回りで争っていた。



「......他所を見る癖は相変わらぬな」



「......」



琥珀はそう言い、すぐにきぃの胴目掛けて刀を振った。



『キィン!』



またも間一髪で防ぎきれたきぃは、改めて琥珀の顔を見据えた。



「......」



このままではまずいと、きぃは一旦退いてから琥珀に向かって斬りかかった。



「......ハァッ!」



「ッグ......」



攻撃は琥珀の腕に掠り、僅かな切り傷を作った。



琥珀が怯んだその隙を見逃さず、きぃは更に斬り込んだ。



「ハッ!」



同郷→←-開幕-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , 戦国 , 名前変換 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琥珀‐KOHAKU-(プロフ) - 感想やアドバイスなど、ご自由にご記入ください!できるだけ返事をいたします。 (2019年10月7日 1時) (レス) id: 7c741c0c9f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琥珀‐KOHAKU- | 作成日時:2019年10月7日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。