恋に焦がれて愛にゆく【ファンタスティックビースト】

ニューヨークの街角 ページ6

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街を行くニュートの姿。


周囲には無頓着で、自分の世界のリズムで行動している。



恋に焦がれた彼女に逢えると思うと、胸がドキドキしてここで想いを叫びたいという気持ちが溢れてやまない。



手には行き先を書いた小さな紙きれをニュートは握りしめている。




それでも、あたりの見慣れないものに対しての挙動不審な行為は科学者らしい好奇心、そして長年の、彼女に対する想いを示している。




***




大きな声を聞きつけて興味をそそられ、ニュートは「新セーレム救世軍」の集会に近づいた。




1920年代版の清教徒のドレスを着た、きりっとした中西部の女性、メアリー・ルー・ベアボーンが、カリスマ性と真剣な雰囲気を漂わせ、シティ銀行の石段の一角に立っている。



その後ろには、組織のシンボルを縫い取りした横断幕を掲げた男が歩き回っている──鮮やかな黄色と赤の炎の中で、折れた魔法の杖を誇らしげに握る両手の図だ。




メアリー・ルーは集まった聴衆に向かってこう、訴えかけていた。



「……この偉大なる街には、人間の輝かしい発明があふれています。 映画館、自動車、無線通信、電気による明かりなど──どれも我々の目を眩ませ、魅了します！」





ニュートは歩を緩め、外国の生物種でも見るような目でメアリー・ルーを見つめた。


何の価値判断もせず、ただ興味を持って見ている。



そのそばに、帽子を目深にかぶり、コートの襟を立て、ティナ・ゴールドスタインが立っている。



食べているホットドッグのマスタードが、上唇に付いている。




ニュートは聴衆の前のほうへ出ようとして、ティナにぶつかってしまった。










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