ゴールドスタインのアパート ページ26
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ブロンドのクイニーは、最高に美しい魔女。
シルクのスリップ姿で、ドレスメーカー用の人台を使って、ドレス繕いを指揮している。ジェイコブはびっくり仰天。
ニュートはほとんどクイニーに気が付かない。早くここを出たい、しかしAに会いたい、と落ち着かず、窓から外を覗いた。
「ティーニー──殿方を連れてきたの? 」
「紹介するわ。私の妹よ。 服を着たら?クイニー」
「あら、そうね──」
クイニーが人台に向かって杖を振ると、ドレスがするりとクイニーの体を包む。ジェイコブは呆然とその様子を見つめている。 ティナはじりじりして部屋を片付け始めていた。
「それで?どういう方?」
「こちらはスキャマンダーさん。 国際機密保持法の重大な違反を犯したの」
「犯罪者ってこと?」
クイニーは感心した様子だった。
「そう。こちらはコワルスキーさん。ノー・マジよ──」
「ノー・マジ?ティーンたら──どういうつもり?」
「彼、具合が悪いの──いろいろあってね── スキャマンダーさんがあるものをなくして、 私は探すのを手伝わなきゃ。あ、クイニー、Aがいつ頃来るか分かる?」
Aの話題が出た途端、ニュートが耳をひそめる。
「A?仕事が終わったらすぐに来るって言ってたけど…」
ジェイコブが突然ふらついた。汗びっしょりで気分が悪そう。クイニーが駆け寄り、ティナも心配そうにうろうろした。
「座って休んでなくちゃだめよ。あら── 」
クイニーがジェイコブの心を読んだ。
「──この人、朝から何も食食べてないのね。──あらら……それはつらいわね。──パン屋さんを開きたいけど、お金が借りられなかったのね。 あなた、パンを焼けるの? あたしは料理が好き」
ニュートは窓のそばでクイニーを見ていた。科学的な興味が湧く。
「開心術が使えるの?」
「ん、まあね。でも、あなたみたいなイギリス人は、苦手。なまりがあるでしょ。 Aのは慣れたから大丈夫なんだけど…」
ジェイコブがやっと気が付いて、ゾッとした。
「え…… 俺の心……読めるの? 」
「ううん、気にしないでいいのよ。 男の人はあたしを見ると、みんなあなたと同じことを考えるの」
クイニーは、いたずらっぽく杖でジェイコブを指した。
「さあ、何か食べなきゃ」
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杏(プロフ) - つみきさん» 了解致しました☺️承認致しましたのでよろしくお願いします🙌 (2022年5月28日 16時) (レス) id: 6f386ee796 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 杏さん» ありがとうございます、、、今Twitterにフォロー申請お送りしました!IDは「@cute_Flower___」です!よろしくお願いします☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年5月28日 15時) (レス) id: c3f3b23f10 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - つみきさん» はじめまして!えぇえ!!良いんですか?!😭全然迷惑じゃないです!!むしろ大歓迎です!🙌Twitterのアカウント名を教えて頂けますと幸いです☺️ (2022年5月28日 12時) (レス) id: 6f386ee796 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - はじめまして!夢主様のイラストを描かせていただきたいんですかもしご迷惑でなかったらお送りしても良いでしょうか…?(問題なさそうでしたらTwitterの方もフォローさせていただきます) (2022年5月27日 23時) (レス) id: c3f3b23f10 (このIDを非表示/違反報告)
ごっくん2(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます!!!確かに…!他作品と比べると少し少ないですよね…!!これからも頑張ります!!ご拝読いただきありがとうございます!!! (2022年4月17日 22時) (レス) id: f83802f70f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2022年4月7日 16時