ジェイコブの部屋 ページ23
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ジェイコブの部屋に入ってきたニュートが目を見張って立ち止まった。めちゃめちゃになった部屋。
足跡、壊れた家具、割れた窓ガラス。最悪なのは反対側の壁の大きな穴──何か巨大なものがそこを吹き飛ばして出ていったのだ。隅のほうからジェイコブのうめき声が聞こえる。
その頃、ティナがあたりを見回してニュートが人ごみから消えたことに気付いた。
ニュートは、あおむけで目を閉じたままうめいているジェイコブのそばに屈みこみ、ジェイコブの首の小さな赤い傷を調べようとするが、
ジェイコブは無意識に、それを何度も払いのける。
「スキャマンダーさん!」
ジェイコブのアパートの階段を、決然と駆け上がるティナがいた。
ニュートが必死で修復の魔法をかける。部屋は元通りになり、壁も修復される。
ティナが部屋に入ってくるまでにやっと間に合う。
大急ぎで部屋に入ってきたティナは、何食わぬ顔で落ち着いたふうを装い、ベッドに腰掛けているニュートを見つけた。
ニュートは平然とカバンの留め金を掛ける。
「聞いてたの?」
「ちょっとだけ……」
「あのお騒がせ二フラーがまた逃げたの?」
「んー、そうかもしれない── 」
「だったら捜して!早く!」
ジェイコブがうめく。 ティナはジェイコブのカバンを取り落とし、急いで傷ついたジェイコブに近づいた。
「首から血が!ケガしてるわ! 起きて!ノー・マジさん……」
ティナがニュートに背を向けたすきに、ニュートは出口に向かう。
突然、ティナのギャーという悲鳴。
戸棚の下からチョロチョロと現れたマートラップが、ティナの腕にとりついている。すばやく振り向いたニュートが、マートラップのしっぽを押さえて捕まえ、カバンに押しこんだ。
「
「心配いらないよ。これは……マートラップだ」
ジェイコブが目を開けるが、二人とも気が付かない。
「カバンに、他に何が入ってるの?」
「……っあんたは!」
「やあ」
「大丈夫?ミスター……」
「コワルスキーだ……ジェイコブ・コワルスキー」
ティナがジェイコブと握手する。
ニュートが杖を上げた。ジェイコブはひるんでティナにすがりついた。
ティナはジェイコブの前に立って守ろうとする。
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杏(プロフ) - つみきさん» 了解致しました☺️承認致しましたのでよろしくお願いします🙌 (2022年5月28日 16時) (レス) id: 6f386ee796 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 杏さん» ありがとうございます、、、今Twitterにフォロー申請お送りしました!IDは「@cute_Flower___」です!よろしくお願いします☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年5月28日 15時) (レス) id: c3f3b23f10 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - つみきさん» はじめまして!えぇえ!!良いんですか?!😭全然迷惑じゃないです!!むしろ大歓迎です!🙌Twitterのアカウント名を教えて頂けますと幸いです☺️ (2022年5月28日 12時) (レス) id: 6f386ee796 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - はじめまして!夢主様のイラストを描かせていただきたいんですかもしご迷惑でなかったらお送りしても良いでしょうか…?(問題なさそうでしたらTwitterの方もフォローさせていただきます) (2022年5月27日 23時) (レス) id: c3f3b23f10 (このIDを非表示/違反報告)
ごっくん2(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます!!!確かに…!他作品と比べると少し少ないですよね…!!これからも頑張ります!!ご拝読いただきありがとうございます!!! (2022年4月17日 22時) (レス) id: f83802f70f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2022年4月7日 16時