恋に焦がれて愛にゆく【ファンタスティックビースト】

狭い横丁 ページ15

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ティナとニュートが狭苦しいレンガ造りの横丁に「姿現し」する。パトカーのサイレンが背後でまだ鳴っていた。

ティナは息を切らし、信じられないという顔でニュートと向かい合う。


「あなたいったい何者なの？」


「え？ 」


「あなた、誰なの？ 」


「ニュート・スキャマンダー。あなたは？ 」


「カバンの中のあれは何？」


「僕のニフラー」


ニュートはホットドッグのマスタードがティナの口にまだ付いているのを指さした。


「あの、何か付いてますよ、そこ── 」


「いったいぜんたい(デリベランス・デイン)、どうしてあれを逃がしたりしたの？ 」


「わざとじゃない──あいつ、手に負えないんだ。 なにせ光るものに目がなくて── あと彼女にも……」


「わざとじゃない？」


「ええ」


「よりによってこんな時に騒ぎを起こすなんて！難しい状況なのよ！連行します」


「えっ？連行って、どこへ？ 」


ティナが身分証明書を出した。動く写真と、ＭＡＣＵＳＡのシンボル、白頭鷲の印がある。


「アメリカ合衆国魔法議会よ」


ニュートは不安そうに聞いた。


「あなたはマクーザの人？捜査官か何かなの？ 」


ティナは少し口ごもる。


「ん」


ティナが身分証明書をさっとコートに戻した。


「あのノー・マジはちゃんと処理したでしょうね？ 」


「え、何を？ 」

ティナはニュートにだんだんいらいらしてきた。


「ノー・マジよ！ノー・マジック──非・魔法族よ！ 」


「ああ、失礼、僕たちはマグルって呼んでいるので」


ティナがいよいよ心配になってくる。


「記憶は消したんでしょうね？カバンを持ったあのノー・マジの── 」


「あ…… 」


ティナは驚愕した様子でいった。


「第3条のAに反するわ。 スキャマンダーさん、連行します」



ティナはニュートの腕をつかみ、二人は再び「姿くらまし」をした。








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